『ゆるい生活』 by 群ようこ

ゆるい生活
群ようこ
朝日文庫
2018年5月30日 第1刷発行
2019年5月30日 第7刷発行

 

図書館でふと目に入ったので、かりてみた。300ページ弱の文庫本。さっと読めそう。

 

裏の説明には、
” ある日突然めまいに襲われ、訪れた「漢方薬局」。 ここから漢方薬を飲むだけでは終わらない、 我慢と忍耐の暮らしが始まる。お菓子禁止、 体を冷やさない、 水分をとりすぎない、 趣味は1日1つ など、 約6年にわたる体質と意識改善の様子を丁寧に綴った実録エッセイ。”と。

 

群さんは、1954年生まれ。本書の始まりは、
”それは突然やってきた。 わすれもしない 2008年の11月、 いつものように、 朝、目が覚めて ベッドの上で体を起こしたとたん、くるくるっと 軽く 目が回った。”

つまり、50代中盤ってころに、体調不良に襲われたってはなし。更年期障害が出てもおかしくない年だし、仕事ができないほどの体調不良ではないので、しばらくそのまま生活していたけれど、不快な日が続く。そして、4日たっても症状が改善しなかったので、友人の紹介で漢方薬局へいった群さん。薬局は、30代半ばに見える女性が経営していて、群さんをみて、症状を聞くと、「大丈夫、病気じゃないから治ります」と。

 

そして、そこから、リンパマッサージ、漢方薬、食事指導などなどによる、体質改善が始まる。

リンパマッサージは、叫び声をあげるほど痛くて、全てはめぐりが悪いせいだと、、、。

群さんは、酒・たばこはやらないけれど、甘いもの好きで、原稿書きなどの仕事をしながら、お饅頭数個ならペロっと一回にたべていたそうだ。
それが、「甘いものは身体を冷やすから禁止」と言われ、、、、忍耐の日々が続く。

 

”何かを我慢しないと、何かを得られない”って。

 

甘いものの誘惑に負けそうになりながらも、体調不良をなおしたいという思いの方が強く、先生に言われる通りに食事、生活を改善すると、徐々に体調をとりもどしていった群さん。よかったねぇ。

 

なんでも、だれにでも共通して、体調に気を付けなくてはいけない時期というのがあるらしい。厄年っていうのも、そういうものだけれど、一年のうちで、土用の日までの18日間は、体調を崩しやすいのだそうだ。

土用というのは、立春立夏立秋立冬の直前の約18日間を指し、夏
の「土用の丑」だけではないのだ。実は、いまこそその土用の期間。 2024年の春の土用は4月16日~5月4日で、5月5日の立夏まで。へぇぇ!!そうだったのか。

 

まぁ、季節の変わり目というのは、とかく体調を崩しやすい。気を付けよう。

 

群さんは、身体に水分を貯め込みやすい体質で、溜まりすぎた水分が、代謝を損ねるのだそうだ。なんでも、成人女性の平均水分量は、45~60%だという。

 

我が家の体重計にも、「水分」がでるのだけれど、気にしたことが無かった。私は、おおよそ54%くらい。実は、水分多めの方らしい。

 

そして、リンパマッサージをうけつつ、水分に気を付ける生活をしていたら、みるみる体重がおちたのだと。身長150センチくらいらしいが、50Kg越えだった体重は、一度落ち始めると、あっという間に48Kgへ。そして、43Kgへ、、、。流石に、50代でそれだけ体重が減ると、やつれて見える、、、ってことで、先生に相談すると、たんぱく源の肉の摂取量が少なすぎる、、、と。そして、お肉を食べる量を増やしたのだそうだ。

 

先生によると、漢方にしても、食事療法にしても、万人にこれがいい、というものはないのだそうだ。バナナは栄養価が高くて朝ごはんにいいというけれど、実は熱帯の植物なので、身体を冷やす作用がある。だから、群さんには向かない、、、とか。漢方薬も、人によって効き方も違うので、処方もことなるとのこと。

なるほどねぇ。

同じことは、低GIダイエットとか、グルテンフリーダイエットにも言えるようだ。

 

いわゆる医者にも、漢方にも、ほとんどお世話になることのない私だが、食の話は興味深い。栄養素の面だけで考えがちだけれど、食だって、人によって合う合わないがある。乳製品、お肉、お魚、、、ダメな人はダメだもんね。

 

ちなみ、私はもともと「白米」をそんなに欲さないのだけれど、かといって、パンやパスタが好きなわけでもない。だから、炭水化物としてお米を選択することが多いのだけれど、張り切ってお米を食べると、たいていお腹がどよーーん、と重くなる。胃が重くなるのではなく、腸が重くなるのだ、、、。私には、白米があまり向いていないのかもしれない。米から作った「酒」なら、めっちゃ合うのに・・・。発酵の力は素晴らしい!

 

面白い話が、漢方の本の中には、「自分の干支と、親の干支の肉は食べるな」という教えがあるそうだ。理由はよくわからないし、食べるとどうなるのかということの説明もないけれど、経験則から言っているのか、、、。

ちなみに、私はそれを守っていることになる。なんせ、私が申年、両親は、辰年に巳年。さるも、辰も、蛇も食わんわ!!だから、私は体調いいのか?!?!

 

また、体調不良の原因で大きいのは、疲労やストレスなのだけれど、実は、「つかわなすぎる身体」というも、体調不良の原因になるのだそうだ。例として、中年の女性で、二人に当てはまったケースというのが、手の関節の腫れという症状。二人とも、素敵なネイルアートをしている。聞いてみると、家事はしているとはいうものの、自分の手をつかった家事をほとんどしていない。料理をしたり、食器をあらうということをほとんどしていない。つまり、手をほとんど使っていなかったのだ。。。

「手袋をしてでよいので、御皿洗いをしてみてください」と言われた女性たちは、まさに、手を使って家事をしたことで、手の関節の痛みは見事に治ったのだそうだ。

そこまで、身体を使わないっていうのもすごいけど、、、、。

ふと手にした本だけど、ちょっと、面白かった。

 

人にはそれぞれ向き不向きがある。
自分に合った、快適をみつけることが、快適な生活の最初の一歩かもね。

そして、体調が良くなったとしても、50も過ぎれば、若返ったのではなくて老化のスピードが穏やかになっただけ、って。

 

無理は禁物。
疲れは貯め込む前に、こまめに休もう!!

 

うん、ゆるい生活で、いいよね。