図書館をウロウロしていて、目についた本。最近、友人との間でも着物が話題なることが多く、気になったので借りて読んでみた。
著者の群ようこさんは、1954年、東京生まれ。78年に本の雑誌社に入社し、『午前零時の玄米パン』で作家デビュー。私は、学生時代には、何冊かよんだきがするのだけれど、最近はとんと読んでいなかった。
彼女の作品で映画化された代表作といえば、『かもめ食堂』だろう。あの、ほんわか、ふんわり、ほのぼの、胸きゅんなかんじが、なんとも昭和で好きだ。
そして、無類の着物好きであるということを、本書を読んではじめて知った。
目次
1 着物の第一歩を応援したい
2 着物生活の後押し
3 着られない理由
4 着物と私
5 その人なりに楽しんで着ればいい
巻末ガイド
イラスト 着物の基本
肌着・着付け小物一覧
お店・書籍
と、着物を着てみたいけれどその一歩を踏み出せない人の背中を押してくれる感じの一冊。途中、様々な人の着物にまつわるお悩み相談のようなページが長く続く。そこは、サーっと読み飛ばし、群さんの着物愛を感じるところを読んでみた。『還暦着物日記』という著書も出しているらしい。知らなかった。そして、その本をきっかけに、着物に興味を持っているけれどなかなか着物を着ようというところまでは行きつかない人が多いことに気が付いたのだと。私もそうだけれど、やっぱり、「着物は決まりごとが多そうで、よくわからない」のだ。でも、群さんいわく、自由に楽しめばいいのだ、と。
まぁ、言われてみればそれはそうで、「衣服」である。洋服だってフォーマルな場合を除けば、ルールはあってないようなもの。群さんは、普段から着物を普段着として着られているらしい。家の中でも着物生活だと。
「他人の眼を気にしすぎるな」というのが群さんのアドバイス。とはいえ、着付けはならわないとわからないし・・・。家でも着物を着る習慣をもてば、着付けはできるようになるのだ、と。確かに、教室に通っても、自分で着ない限りはどんどん忘れてしまう・・・。私も20代の頃に着付け教室に通ったことはあるけれど、今ではさっぱり、、、。
着物のあれこれとしていくつか覚書。
・「博多の名古屋帯」:博多織の名古屋帯。たしかに、よく考えると博多織や名護屋帯を知らない人には、どういうこと?!ってなる。
・東京友禅:東京で作られる友禅。江戸友禅ともいう。
・鯨尺(くじらじゃく):反物を測るのに用いられてきた和裁用の物差し。曲尺(かねじゃく)の1尺2寸5分(約38センチ)を1尺としたもの。もとは、鯨のひげで作られた。
・紬:真綿から紡いだ糸を染めて織る反物。ちなみに、真綿は「コットン」ではない。真綿は、絹の一種。(なかには、後染めの紬もある)
・小紋・訪問着などの柔らかもの:生糸を織って白い反物にして、あとから染め上げる。
・反幅帯:並幅の帯の半分の幅の帯。
・名古屋帯:身体に巻く部分が反幅になっている。お太鼓は一重になる。
・袋帯:礼装などに絞めるタイプの帯。二重太鼓。金銀が用いられたものは礼装用。カジュアルな雰囲気の洒落袋帯もある。
・着付けをする前の習慣として、手を洗う。首筋を拭く。
・半襟のつけ方:襟周りと両側5cmくらいは細かく1cmの針目で縫う。あとは、5cmくらいの縫い目でザクザクと。
・帯揚げ:クリーム色は何にでもあって便利。色は薄いほうが使いやすい。帯揚げはできれば化繊はさけたほうが、胸元のおさまりがいい。
・帯締め:装いの要になるので、重要。帯揚げ同様、化繊は避けた方がいい。
なるほど、ちょっと勉強になる。タンスに、先輩から頂いた江戸小紋が眠っているのだが、それを自分で着られるようになりたいと思う今日この頃。真面目に着付けを覚えたい。
昔の人は、毎日着物だったんだから、そんなに大変なことではないはず。長襦袢も最近では洗えるものが増えていて、半襟も毎回付け替える必要が無いと聞く。そのほかいろいろな小物が今では便利になっているらしい。やっぱり、気になることはトライしてみよう。何事も、やってみないことには、わからないしね。
着物、私も着てみたい。