『やまなし』 by 宮沢賢治

やまなし
原作 宮沢賢治
絵と構成 武田美穂
理論社
2024年2月 初版 第1刷発行

 

先日、勝沼ぶどう郷にワインとハイキングを楽しみに行った。その時に立ち寄ったワイナリーのひとつが、「くらむぼんワイン」。HP: くらむぼんワイン

 

知り合いのつてで、テイスティングを準備いただき、オーナーであり、栽培醸造責任者である野沢たかひこ社長に、直接お話をしていただいた。また、先代のお父様には、畑や貯蔵蔵の案内をしていただいた。

 

 


こう言っては何だが、甲州とは思えない、、、、美味しい甲州ワインだった。
で、社名の「くらむぼんって何ですか?」って、誰もが思う。そう、あの、宮沢賢治の童話「やまなし」にでてくる「くらむぼん」、だそうだ。意味はない。「くらむぼん」。

そして、「くらむぼん」シリーズのワインボトルは、可愛らしい蟹や魚の絵のラベル。


点描で書かれた白黒の絵は、なんともシンプルでいて、心躍る感じ。最初に呑んで美味しかった「くらむぼんシリーズの甲州」は、なんと、1880円!レストランでも多く使われているらしい。

 

で、わたしは、宮沢賢治の「やまなし」といわれても、ピンとこなかったのだ。

で、図書館で借りて読んでみた。2024年出版という、出来立てほやほやのような絵本を。

 

”ごがつのあるひ。
にひきの かにの こどもが
たにがわの あおじろい
みずの そこで はなしていました。

あおくて くらい みずのてんじょうを、
つぶつぶ あわがながれていきます。
「くらむぼんは わらっていたよ」
「くらむぼんはかぶかぶ わらったよ」
「なんでくらむぼんは わらったの?」
「しらない」

そして、お魚がカニ兄弟の上を通る。
「くらむぼんは しんだよ」
「くらむぼんは ころされたよ」
「くらむぼんは しんでしまったよ」
「ころされたよ」
「なら、なんでころされたんだい」
「わからない」”

と、、、出てきたと思ったら、しんじゃうくらむぼん。

 

結局、「くらむぼん」って何なんだかよくわからなかった。

でも、死んじゃうんだね。

生き物だったのかな?

 

そして、おはなしは、カワセミに食われていく魚をみて脅えるカニ兄弟をお父さんカニが「だいじょうぶだ 心配するな」と語り、川面におちてきた花びらを綺麗だといって眺めるカニ親子で終わる。で、一つ目のお話がおわり、って。

 

つづいて、川に「やまなし」が落ちてきて、美味しくなるのをまつカニ親子のお話。

 

そうか、やまなしって、そういえば、山梨、だったね。梨だったね。

くらむぼんワインさんは、以前は『株式会社山梨ワイン』という名前だったそうだ。

 

そうするとだぞ、、、なんで、山梨県は「やまなし」なんだろう??

気になったから、山梨県のHPを調べてみた。

”「やまなし」の由来は、くだもののヤマナシがたくさんとれたから、山をならして平地にした「山ならし」からきているなどたくさんの説があります。”だそうだ。

 

ま、「くらむぼん」から宮沢賢治。やっぱり、絵本もいいね。

本書は、結構、現代的な絵だった。縁取り線がくっきりしていて、色も割とはっきり。アクリル絵の具とか、マジックとか、、そいういう感じ。

 

お話の内容からすると、もうちょっと、地味な絵も似合いそうだな、って思う。それこそ、白黒の点描で描いたら、めっちゃ大人な絵本ができそう。。。。

 

いつか、絵本、作ってみたい。。

これも、老後の楽しみかな。

 

絵本も楽しい。