『運動脳の鍛え方』 by 茂木健一郎

運動脳の鍛え方
茂木健一郎
リベラル新書
2023年8月26日 初版発行

 

図書館で、「運動脳」で検索したのか、、、「茂木健一郎」で検索したのか、、、、わすれてしまった。けど、出てきたので、借りて読んでみた。

 

帯には、
” なぜ世界のエリートはひたすら 運動しているのか?
 運動するほど 認知機能が高まり老化も防げる!
 記憶・ 集中・ 想像力が 爆上がり!!

 脳の機能を高めるのは運動がすべてだった!”
とある。

 

うん、まるでジョン・J・レイティの『脳を鍛えるには運動しかない』(NHK出版)のパクリのような本だ・・・。

実際、内容は、ほぼ同じようなことを言っている。
けど、新書なので、コンパクトにまとまっていて、さらっと読める。時々、茂木さん得意の脱線というか、雑学も入る。

 

パラパラとめくってみて、読もうか読むまいか悩んだのだけれど、「はじめに」で、
” 人間にできて AI にできないことは何か”という文字が目にはいり、よんでみることにした。

そう、人間にできて、AIにできないのは、動くこと!

 

目次
はじめに 脳科学的・運動脳のススメ
第1章  なぜ運動が脳にいいのか?そのメカニズムに迫る!
第2章 「 脳ノモビリティ」を高めると仕事も人生も好転しだす
第3章 「運動IQ」が高い人には3つの特徴がある
第4章 集中力・直観力を磨いて自分の夢を具現化しよう
第5章 茂木流ストレス撃退法と強いメンタルの作り方

 

感想。
そうねそうね、運動だよね。
やっぱり、脳を鍛えるには、脳への血流、血流をよくするには運動!!!
だよねーー。
色々全面的に賛同!!

 

しかし、一つだけ、これは私には無理、、、っていうのは、ルーティンの運動として「朝ラン」をしようってこと。

朝起きもいいし、朝運動するのもいいけど、「ランニング」は、やっぱり好きになれないのだ。どう考えても、膝腰に負担かかるし、、、、散歩ならいいけどランはねぇ、、、。精神科医樺沢紫苑さんは、ストレス耐性やメンタル強化に「朝散歩」を断然進めている。血流が上がるくらいの速度、心拍数がちょっと上がるくらいの散歩なら、それでもいいのではないか、と勝手に自分なりに判断。

まぁ、私の場合は、朝ルーティンにしなくとも、週に2~3日は何かしらの運動をしているから、日本人としては運動不足ではないグループに入るように思う。べつに、朝散歩しなくてもね。でも、朝散歩は、確かに気持ちいいし、その日一日の頭の回転が良くなる気がする。
朝の軽い運動は、個人的経験則からもお薦め。

 

「運動不足の生活を送り続けると、脳はどんどん退化していく」って、怖ろしいセリフがでてくる。でも、本当にそう思う。現役で働く70代の知り合いたちは、よく歩くし、良く動く。脳の回転もはやい。

やっぱり、身体を動かすって大事。AIに負けない脳は、身体をうごかしてつくるべし!なんだよね。ほんと、同意!

 

第1章では、運動によって、BDNF(脳由来神経栄養因子)が記憶を司る海馬にいきわたり、脳が活性化することが脳科学として証明された、という話。また、前頭葉も活性化する。受験生にも朗報か?!

 

ここで、脳について復習。

・脳は、大脳、小脳、脳幹 の3つの部位からなる。
・大脳には、前頭葉頭頂葉後頭葉、側頭葉の4つの領域がある。
前頭葉:思考や行動を司る
頭頂葉:知覚や感覚を司る
後頭葉:視覚を司る
・側頭葉:聴覚や記憶を司る

 

人間と動物の大きな違いが、「前頭葉」の発達。脳の司令塔ともいうべき前頭葉が発達しているのだ。

余談だが、先日、アメリカのニュース番組で、コメンテーターがトランプ元大統領の「前頭葉」を見てみたい、なんてことを言って笑いを取っていた。要するに、「思考・行動は制御されてるんかい?!」って。

 

そう、その大事な前頭葉。中強度のランニングを行うと、広い範囲で活性化するのだそうだ。きっと、ランニングじゃなくても、、、中強度の運動ならいいんじゃない?って思う。

で、前頭葉が活性化すると、
・考える 
・判断する
・選択する
・アイディアがひらめく 
・集中する
・感情をコントロールする
という働きが向上するのだ。

 

また、茂木さんは、「英語はスポーツと同じ」と面白いことを言っている。AI翻訳がすすんでも、英語を勉強することのメリットは消えないだろう!って。これは、通訳を生業としている私には、朗報だ。

英語の勉強における、「聞く」「話す」「読む」「書く」という動作は言うまでもなく運動であり、身体性を向上させることができるからです。”って。

 

たしかにね、シャドーイング、音読といった口をつかった英語学習をしていると、滑舌がよくなる。しかも、ボケ防止にもいいってよく言う。

 

第2章ででてくる脳のモビリティーとは、脳を活性化させて、社会の中でどう動いて、誰と会って、何を計画し、何を実行するのか、といった能力のこと。そういう能力をたかめることで、AIに負けない生き方が実現可能。

そして、脳のモビリティーを高めるのは、ルーティンを増やすことで、脳に余力をつくること。また、運動によっても、脳がリフレッシュされて、その余力を生み出すことができる。無意識にできることならば、脳が疲れないっていうのは、わかる気がする。

 

第3章では、「賢い人」のイメージがスポーツマンの時代になったという話から。サッカーの中田英寿本田圭佑、たしかに、賢い。瞬時の判断力を養いつつ、遂行能力も必要とされるスポーツ選手。ボーっとしている人にはムリだね、、、。

 

茂木さんの言う運動IQが高い人の共通点は、
1 出会いを力に変えて活動の幅を広げられる
2 自分の限界を勝手に決めつけない
3 肩書き や組織に依存しない
だそうだ。

 

おっと、これは、結構、私、いけるんじゃない?!なんてね、、、。
こういう、運動IQが高い人の代表として、ヤマザキマリさんが紹介されている。あぁ、いいね、いいね。私もマリさんのような行動力と創造力が欲しい。

 

出会いを力に変えるって、確かに行動力がないとムリ。なるほど、運動IQと関連するかもしれない。

そして、集中力・直観力も、運動で磨くことができるし、それが夢をかなえることにもつながるって。大谷翔平君とかね。

 

最後は、運動とはべつに、ストレス解消法の話に。もちろん、軽い運動がストレス解消になるのはすでに常識になっているけれど、茂木さんお薦めは、「朝ラン」なんだな。残念、こればかりは、賛同できない。

朝散歩しよう!
それなら、いいな。

運動とは別に、茂木さん流ストレス解消に大事なこと
・自分でコントロールできることに集中する
・自分軸で生きる

そうね、これは全面同意!

 

そして、
人生イチかバチか、動いたもん勝ち!”ってさ。 

これも、全面同意!

 

そうなのだよ、あれこれ考えている時間があれば、やってみろ!ってね。

失敗したって、命を失うことが無いなら、何度だってやり直すことはできる。そして、やってみるためには、気力も体力も必要。体力がないと、気力も出ない。

 

やっぱり、体力づくりは、基本である。

 

読書もいいけど、運動もいい。

書をもって街に出よう!!