『無敵の思考 誰でもトクする人になれる コスパ最強のルール21』 by ひろゆき

無敵の思考
誰でもトクする人になれる コスパ最強のルール21
西村博之 ひろゆき
大和書房
2017年7月20日 第一刷発行

 

図書館の、「今日返却された本」という臨時棚のようなところにあった本。要するに、本来の本棚に戻す前に、一時的に置いておくワゴンのような場所。
ふと、目にはいったので、時間つぶしに借りてみた。
ひろゆきって、論破王とか言われている、あの人でしょ、、、ってくらいの認識しかない。あんまり、好かんやっちゃなぁ、、、っていう印象。でも、よく知りもしないで、そういう印象だったので、初めて彼の本を手にしてみた。

 

感想。
う~~~ん、、、、まぁね、そういう考え方もあるよね、っていうのが半分以上、、、かな。
それでも、途中でやめずに最後まで目を通してみた。さら~~~っと読み。
彼自身もいっているけれど、要するに自信ありげに話す人は、間違ったことを言っていても正しそうに聞こえてしまう、、、って、、それがまさに彼自身のやり方なんだな、って感じ。
そもそも、「トクする人になれる」というタイトルがキャリアポルノ。

ま、そういう本かな。

それでも、人によっては背中を押してもらって良いこともあるのかもしれない。

 

ひろゆき、本名西村博之。1976年、神奈川県生まれ。東京に移住して、中央大学に進学。在学中にアメリカのアーカンソー州に留学。1999年にインターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2006年、「ニコニコ動画」を開始。

2ちゃんねるも、ニコニコ動画も、興味ないので、あんまりよく知らなかった。アメリカに留学していたことがあるので、英語はそこそこ喋れて、今はフランスに住んでいるらしい。フランス語も、住んで数年すれば話せるようになるだろう、、、ということで、特にフランス語が話せる状態でフランスでいったわけではないらしい。

読みながら、ときどき、イラっとしつつ、、、ざー-っと読み。ま、いいことも言っているのよ。でも、全体に人をイラっとさせる表現も多い気がする。人と言うか、私をイラっとさせる表現、ね。

 

表紙の裏には、
”「その生き方って、奴隷じゃね?」
ひろゆき流・ストレスフリーな生き方のススメ!
CONTENTS
・簡単に「頭をよく見せる」方法
・相手を怒らせた方が有利
・目が悪くてもトクをする理論
・「いい本」の5つの条件
・「お金を使いたい人」を利用する
・・・etc”

もう、これを読んだだけで、私なんて、イラっとする。けど、どんなことが書いてあるのか?興味の方が勝って、読んでみた。


目次
はじめに  「考え方」で人は”幸せ=無敵”になれる
序章 そもそもの「ルール」論
第1章 これだけで幸せになれる「考え方」のルール
 ルール1 何事も最初は「仮説」を立てる
 ルール2 「年上」の言うことは聞いておく
 ルール3 「根拠のない自信」を持つ
 ルール4 「モノづくり」をする
 ルール5 イヤなことは「自己正当化」で消す
 ルール6 「知的好奇心」をすぐに満たす
 ルール7 自分が「寝たいとき」に寝る
第2章 これだけで勝てる能力と仕事のルール
 ルール8 「記憶力」を気にしない
 ルール 9  仕事の「選び方」を間違えない
 ルール10 「好きすぎること」で食わない
 ルール11 「ストレスマネジメント」を徹底する
 ルール12 「長く役に立つ本」を読む
 ルール13 「努力しないための努力」をする
 ルール14 「最悪シミュレーション」をしておく
第3章 これだけで損しないお金のルール
 ルール15 「金銭感覚」を保っておく
 ルール16 「プレゼン力」でものを手に入れる
 ルール17 お金で「問題解決」をしない
 ルール18 「払いたくない支出」を明確にする
 ルール19 「元をとること」を考える
 ルール20 買い物は「思想」と「機能」に分ける
 ルール21 「運」について考えておく
終章 二極化の未来に備えよう


第1章を読んでいる段階で、おいおい、、、、ってことが盛りだくさん、、、。
ルール2「年上」のいうことは聞いておく、というのは、当たればそれでいいし、外したら見下したらいい、、、と。もう、私は、こういうこと言う人、アウト!って感じだけど、それでも、読み進む、、、、。


すると、同じルールのなかで、お!そうだよね、それはいいと思う、と言うセリフが。
”僕が女性と仕事をするうえで決めているルールは「ちゃん付けで呼ばない」ということです。”と。ただ、それは、一定の距離を保つためで、へんな噂をたてられないためなんだと、、、。それに、女性コミュニティを敵に回すと大変だから、ってことらしい。ま、いいけどね。。。

 

”ルール8  「記憶力」を気にしない”で、面白いなと思った解釈が、どのくらい幼いころからの記憶が残っているか、と言う話。危害が加えられると記憶に定着するので、幼い時に家庭不和があったりすると、幼い時の記憶から残るのだと。そして、彼自身は、両親の関係がよかったから、幼いときに怖い思いをすることがなかった。だから、たいして昔のことは覚えていない、と。まぁ、確かに、生存本能としてそういうことはあるかもしれない。
そういう意味では、私も平和な家庭に育ったので、とくに幼いころの怖い思い出みたいなものは残っていない。コワイ夢は覚えているけど。

 

記憶力の話では、固有名詞は覚えても仕方がない、と。うん、それはわかる。そして、エピソードで理解する、と。確かにね。歴史を勉強していると思う。北条○○とか、徳川○○と、その名前を覚えたところで意味がなくて、その人が何をしたのか、って覚えないと物語にならない。エピソードを意識すると、人のことも覚えやすいかも。うん、これは、そうだねと思う。

 

本の選び方の話で、彼にとっての「いい本」の5つの条件が出てくる。
・今後10年以上の影響を与える「技術」や「文化」をテーマにしている
・結論に至る「経緯と理由」に筋が通っている
・「資料」から組み立てられていて、個人の感想を書いているわけではない
・一般的な「常識」とは違う結論や発見がある
・単純に読んでいて「おもしろい」

うん、これは、そうだね!と共感。
そして、こんな本にはなかなか出会わない、と。
そんな中で、『コンテナ物語』(日経BP社)が面白かった、と。現在世界中で使われているコンテナが先進国の製造業の不況をまねいた、というはなし。コンテナが世界を変えてしまったというのは、確かにそうだ。ちょっと、面白そう。読んでみようかな、と思った。


能力と仕事の話では、”他人を変えるより、自分を変える方が簡単だし早い”ということ。そして、簡単に「自分を変える」方法は、どんな状況にあったとしても、それをプラスにするための状況を考えるということを意識的にやり続けるのだ、と。
なるほどね。それは、そうだね。

意識、そして、行動、というのは、そうだと思う。

 

本書の中でも、とくに、それはないだろう、、、というのは、自分のパフォーマンスのためには睡眠が重要だから、遅刻してもいい、、、と言う理屈。当然、普通の社会人なら許されないよね、とはいいつつも、自分はそうするのだ、と。
やっぱり、人との約束に遅刻することを自己正当化するのは、相手の時間を大事に思っていないということだから、人としてどうかな、、、と思う。

 

イヤなことは、早いうちにイヤといったほうがいい、というのは、ちょっとわかる。イヤが積もり積もって爆発するくらいなら、何がイヤかをいって、ケンカしてでも、仲直りすればいい。ケンカ別れなら、それまでってことだ。イヤを我慢し続けるのは良くない。。。たしかにね。

 

まぁ、全体に、よくわからない人だなぁ、って感じ。

べつに、無敵じゃないと思う。
誰でもそうだけど、いいところもわるいところもある。
彼も、みんなこうすればいい、といっているわけではない。
自分は、こうしている、と言っているだけ。

ま、こういう人もいるのね、って感じかな。

 

やっぱり、「これだけで○○できる」とか「誰でも○○できる」っていう本は、出版社が売り上げのために使う言葉であって、世の中そんな簡単なものじゃない。瞬間的には効果あるかもしれないけれど、How toだけをまねたところで、所詮それまでだ。

 

世間で、ひろゆきがどのように評価されているのかは知らないけれど、「無敵の思考」というより、「自己中思考」、って感じかな。それがいいこともあるし、わるいこともある。

 

読んだ本の情報を、どう使うかは読者次第。

反面教師に使う、っていうのも、ありだね、と思わせる本。

 

世の中、いろんな人がいれば、いろんな本があるもんだ。

ま、だから、楽しいんだけどね。