『写真とイラストでわかる大正時代をのぞいてみよう』

写真とイラストでわかる大正時代をのぞいてみよう

汐文社

2021年1月 初版第一刷発行

 

図書館の児童書の棚にあった本。表紙のイラストにつられて、パラパラとめくってみたら、意外と面白い。ザーッと読んでみた。

 

明治維新の明治と、戦後の昭和の狭間の大正時代。わりと忘れられがちだけど、日本が西洋化していった時代は、イラストにするとなかなか面白い。

 

大正の始まりは、1912年。イギリスの豪華客船タイタニック号が沈没した年だ。

 

1914年には、サラエボ事件から第一次世界大戦に突入。日本は、イギリスと日英同盟を結んでいたので、イギリスの要請でドイツへ宣戦布告。中国にあったドイツ領を日本が占領していく。軍事品の輸出によって日本経済は大きく発展したのだ。赤レンガの東京駅が開業したのもこのとき。

 

1917年は、ロシア革命が起こり、日本はシベリアに拘留されたチェコスロバキア軍の救出を名目にシベリアにたくさんの兵を送った。そして、シベリアの兵への食料として米の需要が急激に増え、農民から都市生活者になるひとも増えたことから、米不足が起こる。地元に米を売ってくれー!って、富山県魚津町の主婦が立ち上がったのが越中女一揆米騒動は全国に広がった。女性が社会に声をあげるようになってきたのだ。母は強し!って感じか。

 

1918年は、スペイン風大流行。外出にはマスクが推奨された。コロナの約100年前にも、町中にマスクの人がでていた。

 

1919年、パリ講和会議

1920年国際連盟発足。国勢調査開始。

 

1922年、ロシア革命によりソビエト社会主義共和国連邦成立。

 

1923年、関東大震災発生。9月1日、マグニチュード7.9といわれる大地震発生。昼間に起きた地震は、木造住居が多かった東京の町を三日間燃やし続けた。東京は焼け野はらになっちゃった。そして、四割以上が焼けた東京は、内務大臣・後藤新平のリードにより復興活動が行われ、幹線道路、鉄製の橋がつくられた。

 

1925年、普通選挙法が成立。納税額に関わらず、普通選挙権が与えられた。でも、まだ、男子のみ。女性に普通選挙権が認められるのは、1945年、昭和20年のこと。大正デモクラシーの活動が盛り上がるのと同時に取り締まりも厳しくなり、治安維持法が成立施行されたのも1925年。

 

そして、翌年、1926年12月25日、大正天皇崩御。昭和へと移行していく。

 

スゴロクになってイラストでかかれた年表は、ながれをつかむのに、なかなかよい。

面白かった。

 

ほかには、森永製菓の箱入りミルクキャラメル発売が1914年とか、日本初の国産シャープペン発売1915年とか。でも、私が小学生の時でも、ほとんど鉛筆だった気がするから、シャーペンが一般的になるのには大分時間がかかったのかな。ちなみに、国産シャープペンシルをつくったのは、早川金属工業、現シャープ、だそうだ。だから、シャープペンシル??!シャーペンって、英語じゃないもんね。英語は、mechanical pencil。ま、今どき、pencilって言ってもシャーペンのことも指すのかも。

 

図書館でさっと読めちゃう児童書。なかなか楽しい。

 

空き時間で、さっと読んだだけだけど、大正時代がナラティブになって頭に入ってきた。イラストの力ってすごいな。

 

ちなみに、東京駅の設計者は「辰野金吾」。通訳案内士の歴史の問題になっているので、ここで、復習。


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