「かなしみ」  石垣りん

北村薫さんの「詩歌の待ち伏せ」を思い出し、石垣りんさんの詩で、じーーんとしたものを覚書。

 

「かなしみ」  石垣りん

 

私は六十五歳です。

このあいだ転んで

右の手首を骨折しました。

なおっても元のようにはならないと

病院で言われ

腕をさすって泣きました。

『お父さん お母さん ごめんなさい』

二人ともとっくに死んでいませんが

二人にもらった体です。

いまも私はこどもです。

おばあさんではありません。

 

 

 

読んだときに、涙が出た。

65歳の時の詩だそうだ。

わかる。

介護が必要になっても、親は親で、私は子供。

からだを大事にしようと思う。

 

生きているものは、必ずいつか死ぬ。

じたばたしても、じっとしても、、

その日はいつか来る。

それまで、大切に使わないとね。

親からもらったからだ。

 

見てくれだけじゃなく、中身も。

内蔵も、脳みそも。

たまには、いたわろう。