国内旅行 熊本一泊二日(最終日)

一泊二日の旅というのは、初日と最終日しかないのだ。ということで、熊本への旅、初日に続いて、最終日。

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朝、6:30ころに目が覚めた。ま、いつものこと。そのままベッドのなかでまどろみつつ、7時過ぎに、朝風呂へ。朝は、ガラガラのお風呂だった。露天風呂で、今日一日の予定を考えていたのだけれど、なんだか、空は曇天。チェックアウトぎりぎりまでホテルでゴロゴロしているかなぁ、、、とおもいつつ、部屋に戻る。あ、ちゃんと、「乳酸菌飲料」の無料サービスを1本ご馳走になった。

 

最近、よく大浴場がついているのでドーミーインを使うのだけれど、ようやく理解した。どこのドーミーインも、施設のシステムはほとんど一緒。お風呂は最上階で、屋上を露天風呂にしている。女風呂は、暗証番号が無いと入れない。そして、夜はアイスキャンディー、朝は乳酸菌飲料の無料サービスがある。マンガがたくさん置いてあって、好きに読んでいいらしい。でもって、21:30~23:00、お風呂とは関係なく、夜鳴きそばという無料サービスのラーメンが1階で提供されている。いまだかつて、そのラーメンは、食べたことないけど、、、。いつか食べてみるか、、、。

 

ドーミーインの部屋には電気ケトルがあるので、朝風呂の後は、自宅から持参したドリップコーヒー、昨晩買っておいたおにぎりと牛乳で朝ごはん。同じ系列のホテルに泊まっていると、たいてい室内の設備が同じなので、ホテル内での過ごし方を予測できるのがいい。ドーミーインの場合は、電気ケトルは部屋にある。電子レンジはどこかの階には共通でおいてある。洗面台とトイレは別になっているのも使いやすい。

 

さてさて、、今日一日どうしたものか、、と朝のルーチンの英語勉強、新聞読み、メールチェックなどを済ませているうちに、さらにコーヒーが飲みたくなったので、1階の無料コーヒーサービスを取りに行く。すると、、、なんと、、、、玄関の外は雪・・・。え?!まじか?!ってくらい、ぼたぼたと雪が降っている・・・。こりゃ、、、細川家ゆかりの水前寺公園を散歩しようかとおもったけど、、無理か?!?!

 

とりあえず、雪の様子をみつつ、11:00のチェックアウトまではホテルで待機か?!、、と思ったのだが、雪は小ぶりで、積もりそうにはない。帰りの飛行機は15:35と早めだし、なんなら、空港でのんびりすればいいから、ちょっとだけ、、散歩するか、と結局は10:30頃にホテルをでた。

 

空港にあった観光ガイドパンフレットにでていた、「小泉八雲熊本旧居」とやらに行ってみることに。前の晩に晩御飯を食べたところの近く。ホテルから歩いて、15分くらいだった。パンフレットには、大人200円と書いてあったのだが、入り口には地震からの復興事業のため「現在無料公開中」となっていて、ただで入れた。

 

小泉八雲ラフカディオ・ハーンについての展示がある。和室の壁に、地味な展示。八雲に興味が無ければ、、まぁ、つまらないだろう。でも、私は、ちょっと八雲に興味があったので、結構勉強になって楽しかった。知らないことだらけだった。ハーンは、ギリシャ生まれ。そして、16歳の時には、遊びの最中の事故で左目を失明。そんなハンディを負っての執筆活動だったとは、知らなかった。そして、八雲といえば松江だけれど、英語の教師として松江にきたものの、あまりの寒さに熊本へ引っ越したのだそうだ。知らなかった。そして、1891年、熊本で第五高等中学校の教師となる。で、このハーンの後をついだ教師が、夏目漱石。実際に2人に直接の接点はなかったらしいけれど、夏目漱石は、ハーンのことをずっと「かなわない人」であるかのように思っていたらしい。お互い様かもしれないけど。

小泉八雲熊本旧居」、地味だけどなかなか良かった。まさか、夏目漱石の話題がここで出て来るとは、、と思いつつ後にした。

 

雪はチラホラしているけれど、積もる感じではない。傘をさすって感じでもない。これなら、水前寺公園を散歩してもいいかな、、と思って、ちんちん電車(市電)で水前寺公園前まで移動。水前寺公園前は、空港と市内を結ぶリムジンバスもバス停があったので、観光後はバスで空港に向かえばいい。市電は大人180円。安い!2両編成で、運転手さんとはべつに、車掌さんが乗っていた。Suicaも使用可能。バスよりなんか楽しい。バスみたいに降りるときは「降ります」ボタンをならすらしい。

市電をおりると、バス停が目に入ったので、空港に向かうバスの時間を確認。1時間に3~4本くらいは出ているようなので、そんなに気にしなくていいみたい。そして、水前寺公園へむかった。しかし、、、公園の周囲のどこかに入り口があるだろうと思いながら歩いても歩いても、、、公園の隣を歩いているのに、公園は柵の向こう側。入れない・・・。どうやら、歩き始める方向を間違えたらしい。たしかに、市電をおりたら「左手に」とどこかの案内で見た気はするのだが、バスの時刻表を確認するのにバス停に寄ったもんで、そのまま右手に歩いてしまった・・・。

しばらく歩くと、公園の見取り図が。東西南北、それぞれ一か所ずつある出入り口のうち、今使用されているのは2か所。まぁ、散歩だし、ぐるっと周囲を回ることにした。雪がチラホラ。。。寒い。

 

歩いていると、「夏目漱石第三旧居」という建物が目に入った。一瞬通り過ぎてから、いやいや、「夏目漱石」なら、やっぱり見ていくか、と戻って立ち寄ってみた。ここも、「小泉八雲」と同様に、現在は無料公開中。古い1階建ての日本家屋。玄関から入ってみたけれど、暗い、、、寒い、、、。ムムム??無人か?と思ったら、オジサンが出てきて、こんにちは。電気、そして部屋中の石油ストーブを点けてくれた。おじさんの説明によれば、漱石は、松山には1年しか住んでおらず、熊本に3年住んでいたらしい。そして、その3年の間に引っ越しを繰り返して6か所も住んだとのこと。現在、そのうち3か所が、ここと同じように公開されている。「坊ちゃん」が有名過ぎて、松山の印象がつよいけれど、熊本も3年もいたんだ。そういえばそうだったかも。。。そして、草枕の舞台となった熊本の周囲の地図、ストーリーに照らし合わせた場所の案内が飾ってあった。そうか、草枕って、、、熊本にいた時に書いたんだ。勉強になった。

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ほかには、雑誌『ほととぎす』の本物だったり、『吾輩は猫である』の復刻版だったり、なかなか貴重な資料が展示されていた。妻の鏡子さんとの生活を始めたのも、熊本の土地だったんだね。第五高等中学校の教師をして、ハーンの後は大変だ、、、という愚痴のようなことも記されていた。ハーンと漱石の授業のタイプは全然違ったらしい。なんか、そういう漱石の話、どっかで読んだよなぁ、、、と思ったら、『ミチクサ先生』だった。

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と、思いがけず、おじさんから色々お話を聞かせてもらって、楽しい時間になった。きっと、一日数組の来客なんだろうな、、、って感じはした。2016年の地震では、天井や壁が被害を受けたらしい。でも、柱がしっかりしていたので、修復して現在に至る、と。随分寒いんですね、といったら、今日みたいに雪が降るのは珍しい、、とのこと。

そして、夏目漱石にさよならして、さらに水前寺公園の塀にそって歩く。おじさんは、次の角を曲がったら、入り口がある、と教えてくれた。そして、ようやく、公園北門という入り口にたどり着く。入場料400円。

 

水前寺公園は、正式名称水前寺成趣園(じょうじゅえん)」という。細川家ゆかりの優美な大名庭園として知られ、熊本観光名所の一つ。成趣園というのは、「陶淵明」の詩に由来するらしい。隠遁の神様、陶淵明

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公園の中には、出水神社夏目漱石の句碑細川忠利や細川藤孝(幽斎)の銅像。梅や桜の花もあるけれど、梅がちょっとだけ咲いていた。

 

細川藤孝って、誰だっけ?って、銅像の説明書を読んでいたら、そうそう、明智光秀とともに織田信長に仕えた人って思いだした。藤孝の息子忠興が、光秀の娘・玉(ガラシャ)と結婚して、その息子が、熊本藩主となった忠利。おぉ、記憶がよみがえってきた・・・。

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公園内の資料室には、細川家の家系図も飾ってあった。第79代内閣総理大臣細川護熙さんまで続く家系図が。そうだそうだ、お侍さん家系だって、当時話題になった。

あいにくのお天気ではあったけれど、公園内はたしかに優美だ。大きな池には、たくさんの立派な錦鯉が泳いでいた。お天気が良ければ、もっと美しいのだろう。

夏目漱石旧居に水前寺公園、結構楽しめた。時刻は12:30過ぎ。もう、熊本は十分満喫したので、バスで空港に向かった。水前寺公園前から空港までは800円だった。市内中心部までより200円安い。

 

空港で、熊本最後の食、お昼ご飯。保安ゲートを通った後のエリアは広々としていて、中には食事処もあると説明にはあったけれど、食事処はフードコートのようなモノだった。昨晩、お肉を食べ損ねたので、最後位お肉を、、と思って、赤牛料理のコーナーへ。サイコロステーキとご飯のセットを注文。

 

う~~ん、、、赤牛。美味しいけど、、、、ファミリーレストラン的な味。。。お腹空いていたのでご飯も含めて完食したけど、ま、熊本は食には恵まれなかった旅だった。美味しいと思ったのは、やっぱり、辛子れんこんか。。。。空港内のお土産屋さんでも、辛子れんこんを試食したけれど、やっぱり、美味しい。買って帰ろうかと思ったけれど、賞味期限は5日間だというし、、、もう、たくさん食べたので、結局買わずに帰ってきた。

 

帰りの飛行機も、私の隣は空席だった。帰りは、約1時間半の飛行時間。本を読んでいたらあっという間。九州から羽田に戻るときはいつもあっという間に感じる。往きよりも速い。

 

JALの「どこかにマイル」での熊本の旅。熊本散歩。結構楽しかった。夏目漱石とか、小泉八雲とか、期せずして文学探訪の旅になった。そして、18:00には帰宅していたので即刻日常に戻る。熊本の街も、商店街やショッピングモールは、どこの都市ともかわならい。国内旅行していても、いわゆる繁華街、中心都市、駅ビルなどにいくと、まったくどこにいるのかがわからないくらい、どこもかしこもおんなじ、、って気がする。まぁ、海外の都市もそうかなぁ。。。。ホテルもどこも同じだし。。。同じである安心感もいいけどね。人間が暮らす街というのは、同じような環境になるということなのかな。

 

やっぱり、旅のだいご味は、その土地でしか経験できない自然や、文化の象徴など。食は、今回はあんまり恵まれなかったけど、熊本城含めて色々歴史の復習ができた感じがよかった。1泊2日の旅は、詰め込み過ぎずにさらっと行くのがいい。

 

うん、熊本、よかったよ。どこでもマイル、それなりに楽しめる。ま、なんでも、楽しんだもの勝ちかな。

やっぱり、旅は、いいね。