「困は窮して通ず」
こんはきゅうしてつうず
苦しむことは、誰もが嫌うことであるが、困窮こそ、次に打開の道がつうじているのだ。
この言葉に出合ったのは、下記の本。
「立花宗茂 戦国「最強」の武将」 加来耕三 著
2021年 1月10日
内容紹介より:
九州地方を中心に活躍した戦国武将、立花宗茂。島津征伐や朝鮮出兵など激戦を重ねて生涯無敗。あの秀吉も「日本無双」と称賛を贈った。関ヶ原の戦い後に大名から浪々の身になるも、再び徳川家に取り立てられると、ついには旧領復帰を果たしたというその生涯から、地元では大河ドラマ化が切望されている。
私は、戦国時代は残忍すぎるし、戦略結婚とか人の道に反すると思うので、あまり興味がない。というか、あまり知りたいと思えないところがあって、詳しくない。
なぜ、この本を読もうかと思ったかというと、知人のお勧めだったということ。読み進めると、ただの歴史紹介の本ではなく、戦国時代の日本を現代の日本とも比べながら表現されているところに興味が惹かれ、最後まで読んだ。
(といっても、だいぶ飛ばし読みだけど)
いくつか、心にとめておきたい言葉が出てきたので、覚書。
困は窮して通ず
そうなんだよね。大変なことがあった後、かならず、打開策が出てきて、よりよくなることもある。一度、困ったことになると、何とかしようともがく。もがいているうちに、パッと解決策が見つかると、以前よりよくなったりする。
何事も、底があるし、だから、回復がある。
ずっと、右肩上がりの成長なんて、ないからね。
落ち込んだときはとことん落ち込めばいい。
底に着いたら、そこから、這い上がればいい。
そうして、器は大きくなる。
底を経験することで、器は大きくなる。
成長することは目的ではなく、たぶん、器が大きくなることで生きるのが楽になる。
器が大きくなるほど、自分の小ささを受け入れることができるようになる。
どん底を経験するって、悪いことばかりじゃないよ。
ビジネスの成功話も、V字回復の美談が多いじゃない。
トヨタの看板方式も、生産革新も、危機感から生まれたんだと思う。
うまくいっているときって、人は油断するもの。
困難を味方につけよう。
回復のストーリーを考えて、楽しんでみよう。
妄想。
そして、実行。
アウトプットね。
実行しないとね。
妄想しているだけでは、いつまでも底から抜け出せない。
一歩、踏み出そう。
もう一つ。
「愚なるが故に道なり」 荘子
愚(のろま、おろか、ばかもの)は本来、世間的に喜ばれないが、「愚」には人間のさかしらな知識が働いていないから、本当の人間のまっとうな歩む道に合致しているのだ。
さかしらな:賢しら:かしこそうにふるまうこと。利口ぶること。
善き市民であるために、「愚」であることも必要なことがある。
あれこれと考えすぎずに、自分の内なる欲求に任せて行動したほうが良いこともある。
内なる欲求が、私利私欲ではなく、善き市民としての欲求である人間でありたい。
きれいごとだといわれても、そうでありたい。
そういう、「愚」でありたい。