「もっとコロッケな日本語を」 by  東海林さだお

「もっとコロッケな日本語を」
東海林さだお
2006年6月10日第一刷
文春文庫
 
「ドーダの近代史」に「ドーダの教祖」として紹介されていたのが東海林さだおさん。そして、その教科書がこの「もっとコロッケな日本語を」だったというので読んでみた。
 

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えっと、えっと、なんじゃこりゃ??
裏表紙の説明書き、
”長年にわたるドーダ学研究の成果を発表すべく、フィールドワークの現場として選ばれたのは銀座のクラブ。果たしてそこは宝庫であった。
懐かしの歌声喫茶で大声を張り上げ、自分で打った蕎麦に舌鼓を打ち、標高4.5 M の日本一低い山に登る。そして読み物やショージ君の理想とする文章とは!? 解説・倉田真由美
とある。
 
おもなドーダ論は、最初の3項目だけで、あとは、ごった煮のようなエッセイ集だった。歌声喫茶、そば打ち、4.5Mの登山。。。。ごった煮というのは、悪口として言っているわけではない。東海林さだおさんなら、ごった煮万歳、といっていただけそうなので、、、、。
 
でも、ドーダ学を理解することはできた気がする。
 
ドーダな人々 Part I ~ Part III。
と、3項にわたって、事例を紹介しつつ、詳細なる解説が。
文庫本、50ページ強で、語りつくされるドーダ論。
いや、語りつくされては、、、いないのかもしれない。。。
 
本書の最後の方に、ふたたび、ちょろっと、「ドーダ」がでてくるけど、極めて、シンプルなドーダ論である、という事がわかった。
 
まずもって、人々の会話の八割は自慢話だという説明から入る。
自慢話は「ドーダ!」である、ということだ。

コミュニケーションは、「ドーダ!」でできている、ということだ。

 
ドーダ学のフィールドワークの場が紹介される。
フィールドワークにふさわしい場として、喫茶店、ビアホール、居酒屋、レストラン、料亭、スナック、バー、クラブ、キャバレー、、、。この順番で、水商売の水度は高くなっていく。水度が高くなるほど、自慢度も高くなるという。。。。
ま、お金がかかるところほど、ドーダ!の人が増えるという事か。
 
Part I 、銀座のクラブは、「ドーダの館」ともいわれる。
「アーラ、○○センセ、お久しぶり」
「寝てないんだ」
「原稿の締め切りでお忙しくしていらっしゃるから、ゆっくりしてらしてください」
「帰ってから、40枚書かなきゃいけないんだ」
 
これが、噂の「忙し自慢ドーダ」
 
ビジネスマンだと、
「今月は、デュッセルドルフだろ。ニューヨークだろ。ニューヨークからかえってトンボ帰りでボストンだもん。もうやんなっちゃう。」
 
立派な、ドーダ。

 


Part Ⅱ
ブランド、ドーダ。
アクアスキュータムのコートを預けるときに、襟首のところについているラベルをわざと目立つように渡す、、とか。
(ちなみに、アクアスキュータムは、イギリスの高級ブランドだったけど、いったん破綻して2021年現在は中国資本のはず、、、、。高いという事は、変わってないか。)
ベルトだけブランド物で、つるしのスーツのおじさん、、、とか。
 
ブランドの一つ、学歴ドーダ。
あちこちで、「30分以内に、自分が東大卒であることをいう人」が出没する、というドーダ学会員の研究報告があるそうだ。
ちなみに、
「オレの友達のイワムラ、しってるだろ、あいつ、東大なんだけどさ。。。」と、東大の友達が多いドーダ、という変化球もあるらしい。。。
 
ちなみに、ブランドドーダ、学歴ドーダは、女にもてたい男に多く見られる下心ドーダ、、、らしい。
 


Part Ⅲ
有名人をみたドーダ。
田中真紀子とトイレで一緒になった」
(事例が田中真紀子なところに時代を感じる、、、。いまなら百合ちゃんか?)
「タクシーに乗ったら、その前の客がキヨハラだったってさ」
(これも、キヨハラが事例なのが、、、時代だが)
あってもいないのに、同じ席にすわっちゃたドーダ。
なかなか、いじましい。
「○○さんと誕生日が同じでさ」
 
 
とまぁ、、、そんな、ドーダ学。
 
人の会話は、自慢で成り立っている。。。。

 

愚痴だって、見方を変えれば、

「オレはこんなに大変でかわいそうなんだ」っていう、ドーダかもしれない。。。


 
ま、いいじゃない。自慢でも。
コロナで、人と会う機会が減って、「ドーダロス」になっている人々もたくさんいそうだ。
 
無事に、緊急事態宣言が解禁され、お店でアルコールが飲めるようになったら、
「こんなに大変だったんだ、ドーダ!」が増えそうな気がする。
ま、それでもいいじゃないか。
ひとは、コミュニケーションの生き物だ。
ドーダ、ばんざーい。
ドーダできる相手がいることに、感謝しよう! 

 

しかし、タイトルの、「もっとコロッケな日本語」って、何だったんだろう??

ショージ君の世界は、まだまだ奥が深そうだ・・・。