「捨て本」 by 堀江貴文

「捨て本」
堀江貴文
徳間書房
2019年7月31日

 

ホリエモン堀江貴文さん。
初めて、ホリエモンの本を読んでみた。

 

堀江貴文さん、1972年 福岡県八女市生まれ。東大中退。元、ライブドアのCEO。2006年証券取引法違反東京地検特捜部に逮捕され、実刑判決。

ホリエモン逮捕のニュースは、もちろん知っていたけれど、2006年、ちょうど自分が日本にいなかったこともあって、たいして興味がなかった。


刑務所でダイエットできたとか、最近ではロケット飛ばしているとか、時々彼の発言を耳にしていたけれど、あまり、積極的に聞いたことは無かった。

図書館の棚で、目に入って、なんとなく、時間があったので読んでみた。
309ページの単行本。
活字は少ないし、90分くらいで読めた。

 

なかなか、面白かった。
好きなことだけで生きていくんだ、という彼の言葉は何度か聞いたことはあったけれど、こうやって、生きてきたんだ、と、、1972年から2019年まで、彼の色々な経験にまつわる彼の考え方が書かれた本。

「捨て本」というタイトルの意味するのは、「余計なものは捨ててしまえ」という事のようだ。

 

最初に、ホリエモンは、
「僕の強さは、『捨てること』と『持たないこと』の徹底した積み重ね。」と言っている。
そして、
あなたを取り囲んでいる不用品が、視界を遮っている」から、思考停止するのだと。
ウマイこと言うなぁ、と思った。

不用品にも、モノから想いでから、人間関係まで、、、色々。

「欲しいものがはっきりすると、捨てるべきものがはっきりする」という。
そして、
「好きなことで友達を作ればいい。やりたいことがあれば、孤独にはならない。」と。

確かに、好きなことって、やっていると友達が増える。

会社を辞めても、好きなワインの勉強をしたことで、ワインを通じた友達が増えた。
新しい友達と、新しい人間関係が始まる。

英語の勉強も、三味線も、やっぱり仲間が増えた。

確かに、好きなことをやっていると、孤独なんて感じることは無い。

だから、「寂しさを避けるために現状維持を選ぶのは間違っている。」
たしかに、その通りだと思った。

私は、もともと現状維持よりも変化が好きだし、一人でいることに孤独を感じることがないので、よくわかる。

好きなこと、やってみたいことがたくさんあるので、人生150年、と思っているし。

 

ホリエモンは、かつて結婚したことがあって、子供もいるとのこと。でも、離婚したので、自分の中では結婚した家族は捨てたもの、になっているという。でも、子供がちゃんと勉強できるように、養育費は喜んで払っていると。

両親に対しても、あまり、思い入れはないようだ。とくに、毒親だったということは無いけれど、特に思い入れもない、、、と。福岡から東大を受験したのも、とにかく福岡を出たかったから、と。いつか実家に帰るという気持ちは全くなかったと。
それはそれで、やっぱり特殊な思考の持ち主だな、、、、と思う。そう思っても、両親のことはどうともおもっていない、なんて、わざわざ書かなくてもいいのに、、、、と思わなくもない。


そして、そんなホリエモンが唯一捨てないもの、それは「時間」だと。時間を大切に生きる、時間だけは、絶対捨てない、のだそうだ。
無為な時間の過ごし方をする暇がないくらい、やりたいことがたくさんあるのだろう。それも、わかる。


さーーっと読んでしまったけれど、ホリエモンの、彼の意見の方向性というか、フレームがブレないから、分かりやすいのだろうな、という気がした。

それなりに、ホリエモンの生い立ちを知るという意味でも、面白かった。


「本当にやりたいこと」がわかれば、「何を捨てていいかが分かる」。
なるほど、その通りだ。

 

「自信のない人、他人のせいにするクセのある人は、『世間では』とか、『日本人は』とか、巨視的な立場の意見を言おうとする。自分の小ささ、弱さから逃げているだけだ」という、ホリエモンの言葉があった。

日本人の弱いところ、悪いところをあげつらって、大きなものの見方をしているかのようでいて、自分自身の問題を解決しようとしていない、と。

なるほど、そうかもしれないなぁ、と思った。

 

自分の会社の愚痴を言うサラリーマンもそうだ。

そんな会社を選んだのも自分なのだから、そこで働き続けるのなら、会社の愚痴を言ってる暇があったら、自分のやるべき仕事をすればいい。

 

自分が所属する組織のことを、国という単位でも、会社という単位でも、家庭と言う単位でも、批判するのって、聞かされる方はあまりいい気がしない。そりゃ、愚痴りたくなる時もあるだろうけど、たまにはね、良いけど。

いつもいつも、ぐちぐち言っていると、だったら、辞めたら、、って思ってしまう。

 

と、サラリーマンをやめたら、そういう人が周りからいなくなった。

環境が変わると、付き合う人が変わる。

なんだかんだ、会社の付き合いって、付き合いで付き合っている、、、ってあったんだな、と思った。

 

サラリーマンを捨てるのも、悪くない。

本当にやりたいことが、見えてくる。

あれこれ、手を出しすぎて、定職がないくせに忙しいけど、、、、。

50も過ぎたら、そういう生き方も、悪くない。

 

サラリーマンを捨てなければ、こんなにたくさんの時間を手にすることはできなかった。

やっぱり、時間は宝だ。

 

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