『トランプ自伝』 by ドナルド・トランプ、 トニー・シュウォーツ

トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ
ドナルド・トランプ、 トニー・シュウォーツ
相原真理子 訳
ちくま文庫
2008年2月10日 第一刷発行
TRUMP: THE ART OF THE DEAL  1987年


佐藤さんの『危ない読書』の中の一冊。

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言わずと知れた、第45代アメリカ大統領ドナルド・トランプが、1987年、41歳のころに書いた自伝。日本では、1988年に早川文庫で翻訳本になったらしい。わたしが読んだのは、2008年の筑摩書房の文庫版。図書館で借りた。

 

いやぁ、すごい本だ。よくも、ぬけぬけと、しゃーしゃーと、、、こんなこと書くわ、、、って感じである。ある意味、ぞーっとする。こんな人が大統領だったのか、、、と。もちろん、40代の時の書籍なので、そのあと、色々、経験をつんだのだろうけれど。

佐藤さんは、トランプとホリエモンに共通点を見出しているのだが、、、わからなくない。大きく考えて、大きく賭ける。人がどう思うかは気にしない。だから、普通なら口にしないこと、書籍にしないようなことも、バンバンと言うし、書く。正しいとか、正しくないではないけれど、そういうこと聞いたり読んだりしたら、少なからずの人が悪い印象をいだくのでは?ということが、、、、満載。トランプの場合、国民の幸福もどうでもいい。。。。

 

20分くらいザーッと読んで、あぁ、これは、熟読する必要はない、と判断。不動産を仕事にしている人なら、多少参考になるのかもしれない?!まぁ、バブル期ではないから、あまり参考にもならないか、、、。不動産より、カジノ誘致の方が儲かるから好きだったみたいだし。


書いてあるのは、自分がいかに大胆で勇気のある決断をし、事業を成功してきたかという自慢話。時々、妻や子供の自慢も・・・。もちろん、、、今の奥さん、メラニア夫人ではなく、最初の結婚の奥さんの話・・・。運命の人、だったそうだ。

 

トランプが不動産王であることは知っていたけれど、大統領になる前のアメリカでどのような評価を受けた人物だったのはよく知らなかった(興味がなかった)ので、情報としては、面白い、、、というか、なるほどね、、、という感じ。


本書の訳者あとがきによると、トランプは、もともと政治には興味がなかったけれど、2000年頃から貧困化や格差に興味を持つようになったという事だ。

 

また、巻末に「でっかく考えろ!」というタイトルで、ロバート・キヨサキの解説がある。この本が、彼の人生を変えたそうだ。。。。「金もち父さん」のロバート・キヨサキ。この解説で、トランプのことを絶賛している。彼は、トランプと一緒に仕事もしていて、彼の自宅に招かれた。ニューヨークをすべて見渡すことのできる最上階。そこで、トランプにいう。「百万長者と億万長者の差は大きいね」。。。トランプのようになるために、「でっかく考えろ」を思い出したと。。。

まぁ、自伝の解説なのだから、自分のことをベタホメしてくれる人に解説を頼んだのだろうけれど。

正直、この解説を読んで、急に「金持ち父さん」の本が、ぞっとする一冊のような気がした・・・。

 

そんなにお金持ちになって、何するの?????

 

 

本書は、読書メモすら書かなかった。

でも、読んだ本の記録の中には入れておくことにする。

ここに、本書にでてきたトランプにまつわる情報だけ、覚書。

 

表紙裏の注記
”ドナルド・J・トランプはまさにアメリカ立志伝中の人物である。1946年ニューヨークに生まれ、ペンシルバニア大学ウォートン校ファイナンス学科を卒業。これまで手がけた不動産開発プロジェクトは、国の内外で一流の物件と評価を受けている。
例えばニューヨーク5番街にある世界的に有名な超高層ビルトランプ・タワー、トランプ・パークアベニュー、パームビーチの歴史的なマール・アラーゴクラブ、ドバイで開発中のパーム・トランプ・インターナショナルホテル&タワーなどがある。
また栄誉賞を受賞した四つのゴルフコースやスコットランドで開発予定のゴルフ場は彼のゴルフに対する情熱の表れだ。さらに大ヒットしたテレビのリアリティ番組 「ジ・ アプレンティス」ではスター兼共同プロデューサーとしてエミー賞にノミネートされ、彼の著書は9冊全てがベストセラーとなった。”

 

まぁ、世の中色々な人がいるし、色々なことが起こるもんだ。

 

トランプ大統領の就任期間は、 2017年1月20日 ~ 2021年1月20日。間違いなく、アメリカの国民が選んだのだ。やっぱり、普通じゃなかったのは、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件だろう。いい大人が、、、、なんでそんなバカげた行動にでるのか?理解に苦しむ。

 

世の中、色々あるよね・・・・。

世の中、色々な人がいるよね・・・・。

まぁ、それが社会というものかもしれない。。。。

こういう人が大統領になったのだ、という意味では興味深い本。

 

それでも、大統領だったんだから、、、。

選挙も、結局、全ての民意を反映できるわけではなく、人が考えるシステムにも限界があるよな、、、とも思う。

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「民主主義」も「資本主義」も、「人権」も「神権」も、絶対の正解などなく、だからこそ、自分の頭で考えることが大事。

 

いやぁ、すごい金欲と自己承認欲求の塊のような本だった。

だいたい、表紙が自分の写真だし。。。。

ちょっと、心静かになりたくなる。

森田さんの本『僕たちはどう生きるか』と、両極端だった。

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ちょっと、自然の中にでもどっぷりつかって、浄化されたい気分。

ベランダの植物の世話でもしようと思う。

 

いろいろあるけど、

やっぱり、読書は楽しい。

 

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『トランプ自伝』