『名医が実践する「疲れない」健康法』 by  小林弘幸

名医が実践する「疲れない」健康法
小林弘幸
PHP新書
2020年11月26日 第1版第1刷

 

機能に続き、図書館の特設コーナー「健康」にあった本シリーズ。
本書は、TVでも活躍されている小林先生の著書。本書の本文中に記載されていた話によれば、小林先生は、50歳になったら本を出そうと思っていて、すでに150冊を越える著書をだされているそうだ。すごい。

 

著者の小林弘幸さんは、1960年埼玉県生まれ。1987年順天堂大学医学部卒。現在は、順天堂大学医学部附属順天堂医院総合診療科・病院管理学教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、だそうだ。
自律神経が大事とか、腸内環境を整えるための「長生きみそ汁」とかで有名。私の中では、便秘外来の有名な人、という印象も。

本書の表紙は、小林先生の若々しいスーツ姿。学生の頃やっていたというラグビーボールをもって。なんというか、「わたし、健康なんです!」っていう写真。でも、あんまりギラギラしている人ではないので、なんとなく、いい感じ。

 

そして、表紙には本の宣伝文句が沢山ならぶ。

 

疲労は自律神経が原因だった
「10年後の自分を目の前にイメージして会話をしながら今日を生きる」
これほど自律神経の働きを高め健康を増進する生き方はありません

疲れないための方法と効能
・自律神経を制する者が健康を制す
・腸内環境が良ければラーメンを食べても太らない
・一年でやることリストを作る
・首を温めるとむくみは改善される”
と。

表紙裏の内容紹介には、
疲労は万病を知らせるサイン。血流の悪さは肩こりや腰痛、だるさを引き起こす。さらに深刻な病気の初期症状の場合もあり、おざなりにできない。
特に働き盛りの50代は、人間関係の悩みやストレスが疲労を倍化させることが多い
自律神経研究の第一任者である著者は、40歳から「10年後の私なら自分にどうアドバイスをするか」を考え行動してき。たたどり着いた結論は、「自律神経を整えるのが最善の道 」。
人生の後半と前向きに向き合うことができれば、自ずと呼吸が変わり、血流も腸内環境も改善するという。
自律神経と人生を上手にコントロールする方法を明快に詳しく解説。”

 

目次
第1章 50代からの悪い疲れは、「考え方」からやってくる
第2章 「10年後の自分」と会話しながら生きれば病気にならない
第3章 50代から起こる病気は悪い疲れから始まる
第4章 「10年後の自分」に感謝される生き方をめざす


50代と言えば、人生100年時代の折り返し。40代にくらべても、疲れやすく、疲れが抜けにくくなるのは、否めない。だからといって、自分はもう年だからダメなんだ、なんて思っちゃだめだよ、って話。

 

「自分の限界を決めているのは自分」、ということ。
例えば、この本を読んでも、「自分には無理だな」と思ってしまえば行動できない。
こころが限界を作った時点で、人はそこを乗り越えられなくなるのだと。
「ちょっとやってみようかな」でいいのだ。完璧にできなくても、出来ることだけでも、ちょっとやってみると、意外と簡単かもしれない。
ちょっとできると、「あ、自分にもできるかも」と思えるかもしれない。

ま、とにかく、行動してみよう、と言うススメ。

 

自分の人生は、まだまだ先があるのだから、たとえば、10年後の自分に今の自分の生活のせいで苦労をさせないっていう気持ちが大事。暴飲暴食、不摂生は10年後の自分が苦労することになる。そんな風に、適度に節制することは、結局は自分の為なんだってことを意識するために、「10年後の自分」と対話しながら生活をすることのすすめ。

 

50代が疲れやすいのは、血流の悪化、腸内環境の悪化が原因のことが多い。どちらも、太りやすくなる原因になる。また、女性だけでなく、男性も50代になると更年期障害に悩まされることが増える。でも、更年期障害と言うのも、結局は自律神経の調子が狂うことなのだそうだ。だから、更年期障害に対応しようと考えるより、もっと一般的に自律神経の調子を整えよう、とすることが大事だと。

 

なるほど、自律神経を整えるのには、眠って疲れをとればいいとか言うことではなく、やはり、良質な食事、運動、睡眠。
日本人は多くの人が睡眠に問題を抱えているのだという。特に更年期は睡眠障害になりやすい。なかなか寝付けない、ぐっすり眠れない、朝になってもなんかだるい、、、。これらの症状は、夜のすごしかただけでなく、朝、日中の過ごし方を工夫することで改善できるという。
よくいう、「朝散歩」は、午前中に太陽の陽をあびることでメラトニンを生成させ、しいては幸せホルモンであるセロトニンも高めることができるのだと。

また、運動は、適度な疲労によって寝付きをよくするというだけでなく、結局のところ、運動でしか血流は改善しない。血流が滞ると、不健康になりそうなのは、なんとなくイメージできる。


血液は、身体の細胞に栄養をとどけるだけでなく、老廃物の除去運搬としても大事
身体の隅に、老廃物がたまったら、、、、そりゃ、なんか、しんどくなりそうだ。

 

そして、その血流をつかさどるもう一つ重要なものは、自律神経交感神経と副交感神経は、アクセルとブレーキのようなモノといわれるけれど、まさにそのとおりで、強すぎても弱すぎてもだめだし、バランスが崩れてもよくない。どちらも、適度に高い状態だと、血流がよく病気になりにくい、疲れにくい身体になるのだという。

 

本書が、50代むけだな、と思う小林先生の言葉に、
「50歳を過ぎたら、「置かれた場所」から離れてもよい」
というものがあった。

『置かれた場所で咲きなさい』というのは、渡辺和子産の著書で、今の居場所が辛かったり、大変だとしても、いつか花咲く日が来るから、待ちましょう、と言う話。

先生は、そこからはなれてもよいのが、50代なんだ、ということを言ってらっしゃる。
わかる。
50代まで頑張ってきたからこそ、もう、離れてもいいんだ。。。って。

 

ストレスを感じる場所で、自分の気持ちをごまかしながらそこにいる必要はないのだ、、、と。
そして、人は、「やりたいことをしていないから、死ぬのが怖いのだ」と。
あぁ、そうだ。
まだ、あれもしたい、これもたべたい、あそこに行きたい、ああしたい、こうしたい、、、。
そう思っているうちは、死にたくない。
ま、もう、充分だ、死んでもいい、、、なんて思える日が来るのかはわからないけれど、
103歳で大往生した祖母の最後はそんなだったかなぁ。。。。

やっぱり、やりたいことは、やろう。
そのために、今いる場所から離れる勇気をもとう。

それには、「あきらめ」が大事、というはなしがでてくる。それは、「諦め」ではなく「明らめ」。物事を明らかにすることが大事なのだと。
あぁ、そうだ。

もう、ここは自分がいるべき場所ではないということが、自分のなかに明らかになれば、そこから飛び出していくことに不安はなくなる。次への挑戦に向けたワクワクがやってくる。
わたしが、30年務めた会社を辞める決心をしたときが、たしかにそんな気持ちだったかな。


最後の方は、自律神経を高めたり、腸内環境を整えるののお薦めの方法がいくつか紹介されている。
・深呼吸をする。
・ゆったりと、でも素早く行動する。
・日記を書く。
・「長生きみそ汁」を飲む。
などなど。

小林先生は、3行日記の3年日記をつけているそうだ。
私は、5年日記を使っている。だけど、実のところ日記というより、数週間分をまとめて思い出したように書く、、、という感じ。

また、3行でいいんだから、毎晩日記をかいてみようかな、っていう気持ちになった。
ちなみに、今使っている5年日記は、今年が5年目。
ほんと、数年前を見返すのって、意外と楽しい。
「今日は休肝日」としか書いてない日もあれば、「安息日」って、要するにだらだら過ごした日のことを書いてある日もあったり。

 

先生曰く、考え事というのは、文字にしない限り解決しないのだそうだ。
なんか、気持ちがモヤモヤするときはそれをそのまま日記に書けばいいのだと。文字にすることで、こころの中で整理がついて、長々とストレスとして抱えることがなくなるのだと。
しかも、日記なんだから、誰に見せるわけでもない。どんな想いでも素直に文字にすることが大事だと。

さっき、私もたまっていた日記をかいてみた。ちょっとすっきりした気分。

 

健康オタクなわけではないけど、この手の本は好きだ。

昨日の、『感情を”毒”にしないコツ』よりは、だいぶサイエンティフィックに説明がされている一冊。

megureca.hatenablog.com


これまた、新書で簡単によめるので、結構お薦め。

 

「健康みそ汁」のレシピもをここに覚書。

【材料】「長生きみそ玉」10個分
・赤みそ 80g
・白みそ 80g
・玉ねぎ 150g(約1個)
・リンゴ酢 大匙1杯

玉ねぎは、すりおろす。(冷蔵庫で冷やしてからゆっくり下ろすと涙が出にくい)
すりおろした玉ねぎに、赤みそ、白みそ、リンゴ酢を加えて泡だて器で混ぜる。
10等分するように(約30gずつ)製氷機にいれて凍らせる。

みそ玉は、1人前が1個。適当な具を出汁で煮込んで、火を通す。火を止めてから、みそ玉をいれて、完成!


赤みそは、抗酸化作用のメラノイジンが豊富。
白みそは、ストレス軽減のGABAが豊富。
玉ねぎは、解毒効果にすぐれたケルセチンが豊富。
リンゴ酢は、余計な塩分を排出するカリウムが豊富。

玉ねぎをすりおろすのがちょっと面倒そうだけど、、、やってみようかな。

ま、これでないにしても、味噌は日本時にとって一番身近な発酵食品。毎日取ろう!

 

夏バテ防止に、夏野菜のみそ炒めもいい。ちなみにそこに青紫蘇を大量に入れるのが私のお気に入り。

あぁ、料理がしたくなった。

食は健康の基本。
大事にしないとね。 

 

『名医が実践する「疲れない」健康法』