時代の変化点: Queen Elizabeth II エリザベス女王

2022年9月8日、英国の女王エリザベス2世が亡くなった。

安らかにお眠りください。

 

エリザベス女王の生涯

1926年:即位前の英国王ジョージ6世の長女として誕生

1947年:フィリップ殿下と結婚

1952年:ジョージ6世が死去し25歳で即位

2007年:英国史上最高齢の君主に

2015年:在位期間が英君主として最長に

2022年9月6日:トラス氏を新首相に任命

2022年9月8日:英スコットランドのバルモラル城で96歳で死去

 

 

二日前に、トラス新首相を任命し、女性二人の姿がニュースの映像になっていて、イギリスも、また新しい時代だな、、、と思っていた矢先のこと。

エリザベス女王が亡くなってしまったのは、一つの時代だなぁ、、、って思った人は多いのではないだろうか。英国王室も、ダイアナ妃が亡くなってしまったり、チャールズ皇太子は再婚したり、、、色々なことがあったけれど、エリザベス女王は常にエリザベス女王だった。

最近のご様子だって、いつも、ご自身の足でしっかりと立って、綺麗な色の洋服に帽子。96歳とは思えない、肌艶とかわいらしい笑顔。

イギリスの人たちは、時代の交代を感じているのだろうな、、と思う。

 

まぁ、イギリスのように制度のしっかりした国は、王が変わっても、国民の生活が変わるわけではなく、淡々と日常は続いていくのだろうけれど・・・。

 

在位70年7か月、歴代の英国君主で最長。96歳なのだから、大往生だし、二日前まで普通にトラスさんと一緒に立って握手していたのだから、ほんとに、、、苦しまずに静かに逝かれたのだろうと思う。けど、寂しいなぁ、、、という感じ。

 

昭和天皇崩御は、私はまだ大学生だった。だから、寂しいというのか、なんというか、、私には、時代が変わって、新しくなるんだ、という前向きな気持ちの方があった気がする。しばらく体調がよくないことは報道されていたし、自粛モードだったこともあり、みんな、いつ訃報があっても、、、という心の準備もあったように思う。

そして、「平成」が始まった。バブル崩壊の足音と共に、、、、。

 

エリザベス女王の訃報は、96歳だとは言え、、、突然だったなぁ、、、。

時代の変化点は、ある日突然やってくる。

 

でも、もっと、時代の変換点を感じたのは、実は、先日Mikhail Gorbachevさんが亡くなったこと。最近では全く姿を拝見することは無かったけれど、ゴルバチョフさんと言えば、おでこに模様のあるソ連のおじさん、、、だった昭和世代の私にしてみると、あぁ、、時代は流れる、、、と思わずにいられない。

長い間、つらい闘病生活だったらしい。お疲れさまでした、安らかに。。。。

 

ゴルバチョフさんは、ロシアのウクライナ侵攻に対して懸念を表明されていたらしい。プーチンさんは、お葬式には参加せず、前日に個別にお別れをしたとのこと。ゴルバチョフさんが終わらせた東西冷戦。その人が亡くなってしまい、その思いを無視したようなウクライナ侵攻が続くロシア。。。

 

同じ過ちは、繰り返してはならない。

 

自分より年上の方が、先に逝ってしまうのは、順番なのだから仕方がない。

そういうものだ。

 

先人が築いてきたものを、私たちは、守り、発展させていかなくてはいけない。

それが、世代交代ってものだろう。

 

時代の変化点は、後から振り返って、あぁ、あれがそうだった、って思うものなのかもしれないけれど、何かをきっかけに変化のスタートを切ることもあるだろう。

 

イギリスの人たちにとっては、首相交代、国王交代がいっきにやってきた。

これから、どういうイギリスになっていくのだろうか。

そんなにすぐには変わらないだろうけれど、変化は始まっているのかもしれない。

 

時代は、前に前に、進んでいる。

時代の変化点をきっかけに、どう進んでいくのかを決めるのは今を生きている人たちだ。

 

まずは、身近な人の幸せから。。。平凡ながら、そう思う。

エリザベス女王の死を嘆いても、ゴルバチョフさんの死を嘆いても、明日はやってくる。。

 

ふと、半藤一利さんの言葉を思い出す。

「でっかいことをやった人物と言うのは、あまりでっかいことを考えていなかったのではないかと思うようになりました。勝(勝海舟)の場合は徳川慶喜の命を救うため、鈴木貫太郎さんは戦争終結を求めた昭和天皇の願いを実現するため。『この人を助けたい』と本気で思った。そういうことではないのですかね。その1点に集中してやったことだったように思えるのです。でっかいことを大義名分にして、ことを成そうとすると、きまって途中で腰くだけになる。そんな気がしてならないのです。」

(『歴史に「何を」学ぶのか』

 

私は、私なりに、自分のできることを粛々とやっていこう。

私にとっての時代の変化点は、既にやってきている気がしている。

明日は、明日の風が吹く。

いや、明日は、明日の風を吹かせよう。

 

国民に愛され続けたエリザベス女王の死に、新しい時代の始まりを感じつつ、前を向いていこう。

寂しいけれど、そんな元気をくれる女王だった気がする。

 

同じ時代に生きていたことに、感謝。

安らかにお眠りください。