NHKの朝のラジオで、毎朝、「今日は何の日」というコーナーがある。
いくつかの歴史の出来事が紹介される。
6:30のラジオ体操が始まる前の時間。
2023年2月24日、今朝の「今日は何の日」は、「足尾銅山閉山」が紹介されていた。
昭和48年(1973)、足尾銅山は閉山した。日本の公害問題の原点とも言われている。中学の教科書で、その公害問題の被害者でもあり、対策に取り組んだ政治家、「田中正造」について、習った気がする。社会科だったのか?国語だったのか?忘れたけど。
足尾銅山は、1610年に開山した。江戸時代だ。そして、350年以上続いたわけだ。日本の経済に貢献したのだろう。でも、負の遺産も残した。
技術革新、経済活動によって、人は豊かになった。豊かになることで余暇も生まれた。余暇は文化の発展にもつながった。でも、その一方で負の遺産も経験した。新技術は、使い方を誤れば、人の命を奪ってしまうことを学んだ。
それでも、今日は、「ロシアのウクライナ侵攻から1年」の日でもある。英語のニュースでは、”the anniversary of Russia’s invasion of Ukraine”と報道されている。
anniversary という言葉は、めでたい記念の日、というイメージがあるのだが、記念日という言葉には、必ずしも「めでたい」という意味があるわけでもない。
8月6日、広島の平和記念日も、忘れてはいけない日であって、めでたい日ではない。
ひとは、忘れてはいけないことも、忘れてしまう生き物なのだろう。
ひとは、間違えてしまう生き物なのだろう。
忘れることができるから、前にすすむことができることがあり、間違えてしまうから、やり直すことができ、それが成長につながるということもあるのだけれど。
間違えれば、やり直せばいい。
でも、取り返しのつかない間違いもある。。。
核分裂反応を間違った使い方にしてしまったのが、原子爆弾。一方で、平和目的に使い、エネルギー問題を解決してきたのが、原子力発電。でも、それも人間のコントロールの及ばない事態を引き起こしてしまったのが、チェルノブイリ原発事故であり、福島第一原子力発電所事故。
2023年2月23日付、日経新聞朝刊によれば、原子力発電に代わる脱炭素発電である核融合発電に関わる特許は、中国が首位だそうだ。なんとなく、どういう使われ方をするのか、、、不安な気持ちになってしまう・・・。技術そのものではなくても、間違った活用というのはあり得るから・・・。
人間が自然をコントロールできるという思い込みが、勘違い、間違いの始まり。とはいえ、科学技術の発展により、医療も発達し、乳幼児の死亡率が下がり、病気の治療技術も発達し、平均寿命が伸びてきた。
外山健太郎さんの『テクノロジーは貧困を救わない』という著書は、テクノロジーだけあっても、それを使う人々の智恵がなければ問題は解決されないということを語っていて、技術者であればぜひ読んでもらいたい一冊。
「今日は何の日」で、「地球に平和が訪れた日」と言われる日はいつか来るのか。あるいは、平和が当たり前になって、そんな記念日は覚えている必要もない日は来るのか。
ウクライナへのロシア侵攻が終結する日を望まずにはいられない。
トルコ、シリアの地震の被災者が、平和な日常を取り戻す日を願わずにはいられない。
地球のどこかで、そういう悲劇が起きていても、自分の日常は続いていく。
世の中に絶対の正解などないかもしれないけれど、人の命を奪ってはいけない、というのは、普遍的正解なのではないだろうか。
昨年、ロシアのウクライナへの侵攻が始まったとき、まさか、ありえない、と思った。きっと、数か月で終結すると思った。
違った。。。
いったい、誰が幸せになるというのか。。。。
なんとも不穏な状況の世界だが、今日も日常は流れる。
やりきれないむなしさを感じつつ、
自分にできることを、やるしかない。。。。
人間は愚かかもしれないけれど、成長する生き物でもある。
成長するというのは、愚かさを自覚するということなのかもしれない。
大人になるって、そういう自覚を持つってことなのかもなぁ。
なんて、おもった、今日は何の日、、、だった。
さて、今日も一日、頑張るか。
2月は短い!!
来週は、もう3月だ!