木島櫻谷 山水夢中 @泉屋博古館東京

「木島櫻谷 山水夢中」展に行ってきた。

Lost in Sansui Painting、 とある。

夢中=Lost。

日頃の雑務を忘れて、日本画の世界でLOST.

 

先日、暑い中だったけれど、泉屋博古館東京で開催中の「木島櫻谷(このしま おうこく)」展に行ってきた。

2023年7月23日(日)まで開催中。

 

暑いので、地下鉄の六本木一丁目駅からエスカレーターで行った。神谷町駅から歩こう、、、という気にはなれなかった。

 

日本画家木島櫻谷は、1877年生まれ。まさに、日本の画家②、で出てきた、河合玉堂(1873年生まれ)や横山大観(1868年生まれ)より、チョット若い。

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動物画で名を馳せたが、生涯山水画を描き続けた。何よりも写生を重んじた彼は、日々大原や貴船など京都近郊に足をはこび、また毎年数週間にわたる旅行で山海の景勝の写生をかさねた、とのこと。

 

今回の展示は、スケッチのようなメモもあれば、大きな屏風絵もあって、大小さまざまな作品が飾ってあった。
泉屋博古館は、こじんまりしていて、順路通り見て回っても、もう一度戻ってみることもできるし、気に入ったものがあれば、何度も見て回ることができる。

講堂では、短いビデオも上映されていて、休憩かたがた、櫻谷の物語に見入ってきた。

 

展示会は、前期と後期にわかれていて、うっかり前期を見逃してしまい、有名な『寒月』(雪の林の中に、キツネが一匹)をみることができなかったのだけれど、『南陽院本堂障壁画』を初め、大きな作品、小さな作品、どれも、うっとりと見とれてしまった。

中でも、写生帖からの作品に心惹かれた。いってみれば、スケッチブックみたいなものだ。サラサラとスケッチしたんだろうな、と感じる作品から、これは逡巡した挙句にひいた線だな、と思わずにはいられないものなど。線だけのもの。色ものせてあるもの。様々だけれど、どれも涼やかというのか、すっきりと美しい。

 

そして、動物画で名を馳せたというのがよくわかる、馬や牛などの動物が登場する作品の数々。ほんとに、息づかいが聞こえてきそうなくらい、はつらつとした動物たち。そして、今にも瞬きしそうなつぶらな瞳。大きな絵の中に、さりげなく存在する馬も、とても美しい。そして、可愛いのだ。。。愛情をもって見つめた結果の作品、という気がする。きっと、櫻谷自身が、風景だけでなく、動物もすきだったんだろうな、って思う。

やはり、日本画はいい。

富士山も、どこだかわからないけど山と川と、人の暮らしと。

あぁ、こういう景色の中に一緒に溶け込んでしまいたい、と思う作品がたくさん。

 

目に入る景色が、日本のものだからだろうか。身近に感じるのだ。もちろん、雅な時代、江戸時代と思われる暮らしの絵などは、私には知る由もない時代ではあるけれど、どこか、懐かしい。

淡い色合いで描かれたものから、あでやかな色彩で描かれたもの。

緑青のような色合いは、日本画ならでは、、と感じる。

構図ではなく、もしかすると色合いに懐かしさを感じるのかもしれない。

 

今回は、何もお土産を買わずに帰ってきたけれど、ミュージアムショップを覗くのもやっぱり楽しい。お昼ごろにいったので、お腹はすいていたのだけれど、あまりにも外が暑くて、今回も隣のカフェには寄らずに帰ってきた。泉屋博古館東京は、六本木一丁目の駅からはエスカレーターで上って、ほぼ直通の様にいけるのだけれど、最後にちょっとだけ、外を歩く。。。それすらも、避けたいくらいの暑さだった。

 

いつかは、いってみたい、HARIO CAFE。

贅沢したい気分の時に、行ってみよう。

 

木島櫻谷展、今週末までだけれど、日本画が好きならお薦め。

特別展 木島櫻谷 ― 山水夢中 | 展覧会 | 泉屋博古館東京 <六本木>