京都・智積院の名宝 @サントリー美術館

京都・智積院の名宝

サントリー美術館

 

『京都・智積院の名宝展』に行ってきた。

六本木のサントリー美術館で11月30日から1月22日まで開催中。

www.suntory.co.jp

 

実は、東京国立博物館の国宝展で長谷川等伯の「松林図屛風(しょうりんずびょうぶ)」が見たかったのだけれど、チケットの予約ができず、結局見に行けなかったのだ・・・・。とっても残念で、しょんぼり、、、、だったのだ。

もともと、日本画も好きなのだが、長谷川櫂さんの『和の思想 日本人の創造力』

を読んでいて、「松林図屛風」が見たくなっていたところに、明石の知人が「僕は死ぬまでにあれをもう一度見たい」といっていて、できればチケットをゲットして、見せてあげたい、、と思っていたのだ。

 

megureca.hatenablog.com

 

国宝展にいけなくて残念な思いをしていたところに、本展覧会で、長谷川等伯の障壁画「楓図」があるというのを広告で見て、水墨画とはずいぶんと趣が異なるけれど、智積院の作品が東京でみられるのなら、、と思い立って、見に行ってきた。

 

ミッドタウンの中にあるので、六本木駅からのアクセスがよい。サントリー美術館は、特に予約せずに当日券を購入して入場する事ができるのだけれど、一応、ネットであらかじめ入場券1500円を購入して、QRコードを入手してから行った。

 

混んでいるかな?とちょっと覚悟していったのだけれど、12月の平日午後、ほとんど人はいなかった。100円玉(後で返金される)のロッカーにコートと荷物をあずけて、いざ入場。

 

人もまばらで、かなり贅沢にのんびりできる。入り口で音声ガイドプログラムを600円で借りた。入り口は3階だけれど、展示場は4階から始まる。

 

智積院は、弘法大師空海(774~835)から始まる真言宗智山派の総本山。最初に、第1章、空海から智積院へとして、空海の大師像などの展示から始まる。秀吉の息子、鶴松を弔うために建てられたお寺がもとになっていて、そのいきさつなどの説明があった。

第2章が、桃山絵画の精華 長谷川派の障壁画。「楓図」、「桜図」(長谷川等伯の息子、久蔵)、「松に黄蜀葵図」、「松に秋草図」、「雪松図」と、あでやかな金屏風絵が並ぶ。等伯は、狩野派よりちょっと遅れて絵師となっていて、智積院に絵師として迎え入れられることに狩野派の反対もあったとのこと。派閥抗争があったのだ。でも、結局、長谷川等伯とその息子久蔵が智積院の数々の金碧障壁画を手掛けることになった。

 

どれも、圧巻だった。大きな屏風に描かれているので、サイズもなかなか圧巻。金箔と、松の色、白い花、楓の赤など、まぁ、豪華絢爛、、、という感じ。

水墨画とは正反対、、ともいえるが、空間の取り方というのか、構図なのだろうか、かなりパワーを感じる。できることなら、こんな風にガラス張りの向こうにかざられているものではなく、普通に部屋に飾られているところを見たいものだ。草木の香りがしてきそう。

 

松の質感、葉の質感、はっきりくっきり力強い松。松とは対照的に、足元の草花は繊細に描かれている。ふわぁ。。。。すごいなぁ、、、、って。

 

いやぁ、ホントに見たかったのは水墨画なので、まったく趣がことなるのだけれど、、、やっぱり、見ごたえ十分。しかも、そんなに混んでいないので、ずー-っと独り占めするかのように眺めていることができた。

 

これで、1500円なら、悪くないなぁ、、、なんて思いながら、しばし展示場のソファーでのんびり。

 

つづいて、第3章 学山智山の仏教美術、第4章 東アジアの名品集う寺。

 

智積院からは、土田麦僊の「朝顔図」、堂本印象の「婦女喫茶図」といった昭和の作品も展示されていた。

 

仏教美術も、しばしタイムスリップした気分でのんびり見ることができた。やっぱり、混んでいない美術館は、至福の時を過ごせる。

そんなに大きな展示場ではないので、さー-っと見てしまえば、ものの30分もかからないだろう。ゆっくり行ったり来たりしながら、1時間半くらいかけて鑑賞した。

美術館6階では、智積院に関する映像の放映会もしていた。15分ほどのシアター。

また、展示場内は撮影禁止なのだが、6階にはレプリカが。。。ご自由にお写真お撮りください、と。誰もとっていなかったけど、、、一応、撮ってみた。。。

 

サントリー美術館、この半券で、次回展入場料が100円引きになるそうだ。一応、取っておくか、、、、。

 

やっぱり、美術館はいいなぁ。

何も他のことを考えずに、ただ作品に没頭する時間は、ちょっと瞑想ににているかも。ほかの思考を停止させる。

 

考えすぎは、ろくなことがない。

時々、美術で脳みそを解放しよう。

そして、理性ではなく感性にすべてを委ねる。

至福の時である。。。

 

そして、やっぱり、等伯「松林図屛風」をいつか見てみたい・・・。