『世界文化遺産 富士山のすごいひみつ100』  グループ・コロンブス編

世界文化遺産 富士山のすごいひみつ100
グループ・コロンブス
主婦と生活社
2013年8月19日 一刷発行

 

通訳案内士試験の二次対策用に、日本のことをさらに頭に詰め込まねば、、、となっている今日この頃。そもそも、日本語でも説明できないことが英語で説明できるわけがない、、、。といっても、試験対策用の本を読んでみても、ちっとも面白くない。表面的すぎるのと、時々、情報が間違っていることすらある。で、これは、ヤマを絞って、これなら説明できるっていう事柄を、日本語で理解しておくか、と思い、試験問題になりそうな項目を勉強することにした。日本語で、、、。

で、図書館をウロウロして見つけたのが本書。富士山。

 

だいたい、富士山が3776mという数字だって、おぼろげだった。だって、富士山が何メートルでも私の人生には影響ない・・・・。とまぁ、それを言っちゃぁ、何事もおしまいなんだけど。けどね、2013年、世界文化遺産になっているわけだし、ちょっと、勉強するか!と。実は、2018年7月、私は人生ではじめて富士山登山に挑戦した。その時は、3776mまで登ったっていうことより、山頂にたどり着いた感動で、何メートルかなんてどうでもいい!って感じだった。だいたい、人は3776メートルに到達したくて富士山を上るのではなく、富士山に登りたいから富士山にのぼるのだろう。

そう、あの美しい姿の富士山。でも、登ってみれば、、、ただの岩肌の山なんだけど、ね。美しい高山植物がみられるわけでもない。でも、富士山の頂上に立つ達成感。日本一の山、富士山なのだ。

 

本書は、可愛いイラストも入っていて、なかなか楽しい。そんなこと知ってドウスルノ?!っていう事も含めて、100のひみつが明かされる!

 

基本情報を覚書。

富士山の名前の由来は?
 色々な説があり、日本一の高さを持つ富士山に並ぶものはない、という意味の「不二」(one and only best) が、鎌倉時代に「富士」と漢字を変えたというのが有力。

ちなみに、富士山って、「富士さん」と富士に敬称の「さん」をつけたつもりで呼ぶこともある気がするんだけど、、、、富士山さんとか、富士さん山(ヤマ)とかのつもり。そんな感じで、「ふじさん」、そういう人、私以外にはいないのだろうか・・・。だから、つい、「マウント・フジサン」といいたくなる。。。
ちなみに、恐山の山は、やっぱり山のヤマなんだよなぁ。。。

 

高さ
 3776メートル。それは、富士山の山頂にある「剣ヶ峰」の三角点に由来する。三角点は、測量標識であり、最近ではGPSを使って正確な高さを測っている。

 

・千円札に富士山
 千円札の裏面には富士山が描かれている。この富士山は、本栖湖の湖畔から見た富士山。ちなみに、本栖湖は、富士五湖の中でも最も水深が深い。

 

・富士山の誕生
 富士山は、独立峰といって、他の山から離れた場所に一つだけ立つ山。500万年前は海の底だった今の富士山の場所。200~300万年前に、マグマに押されて動いたプレート(巨大な岩の層)が、周辺地域を高く押し上げ、陸地となった。そして、プレートの隙間の火山活動が活発な場所に生まれた火山の一つが、富士山。そう、富士山は活火山。長い時間繰り返された火山活動で、もともとあった火山が積み重なるように大きくなった。そして、今の円錐形の美しい富士山に。富士山のすそ野がなだらかで美しいのは、山頂から吹き出す溶岩がどろどろと粘り気のあるものではなく、サラサラとしたものだったから。それが、薄く重なり合って、あの美しい富士のすそ野となった。

 

・高く上るほど寒くなる
 富士山に限ったことではないけれど、高度が100メートル上がると、気温は0.6度下がる。だから、真夏でも山頂の平均気温は6度くらい。

 

・「どっこいしょ」の語源
 え?それが富士山と何の関係が??
昔の人は富士山を登るとき「六根清浄(ろっこんしょうじょう)ととなえた。六根とは、眼、鼻、耳、舌、身、意の6つのことで、これら六根から生じるさまざまな欲望をすてて、心身をきよめながら富士山に登った。それが、山を登って息が切れ、呼吸の乱れもあって、いつのまにか「どっこいしょ」になまったとか・・。

たしかに、「どっこいしょ」って腰をあげるときにつぶやくけど、それって日本語だ・・・。それで、腰が軽くなるわけでもないのにね、、、。「どっこいしょ」がつい口からでるようになったら老化のはじまり、、、ではなく、「六根清浄」と唱えていることにしよう。しかし、なんで、「どっこいしょっ」って出ちゃうのかねぇ。「どっこい」の発声はたしかに力が出そうな気がしなくもない。

 

・最後の噴火
 最後の噴火は、1707年(宝永4年)、江戸時代おきた宝永の大噴火。いまでも、富士山南東部の山腹には、すり鉢のような形の大きな穴、宝永火口が残っている。と、最後といっても、それで終わりではない。活火山の富士山は、今後も噴火する可能性があるのだ。

宝永の大噴火の49日前には、宝永地震といわれる大地震があった。富士山の地下プレートは今も動き続けているので、東海地震や富士山噴火の可能性は十分あるのだ。

 

地震も、噴火も、起きてほしくないけど、、、こればかりは地球の自然がきめることだからねぇ、、、。

 

富士山、日本一の山。登らずとも、眺めるだけでも楽しめる。銭湯でも楽しめる?!

葛飾北斎の「凱風快晴」が、こんなにも人気があるのも、富士山を眺めていたい人がたくさんいるからだろう。

 

2013年、世界文化遺産となった富士山。いつまでも美しい富士山を守りたいと思う。

さらっと読めて、楽しめる一冊。なかなかよかった。