『やまなし』 作:宮沢賢治、画:小林敏也

画本 宮沢賢治 やまなし

作 宮沢賢治
画 小林敏也
山猫通信社制作
好学社刊
2013年10月2日 第一刷発行

 

先日、理論社の『やまなし』(原作:宮沢賢治、絵と構成:武田美穂 2024年2月)を読んだ。ポップで、現代的な作品だな、って感じがした。

megureca.hatenablog.com

 

コメントで、小林敏也さんの絵の本を紹介いただいたので、図書館で借りてみた。

(ご紹介、ありがとうございます!)

こうも違うのか、、、、。

こっちは、かわいいというより、素敵。

 

もちろん、お話は同じ。でも、本作品は、縦書きであり、絵もシンプルな細い線と、一定の彩度で一つ一つの線が描かれているので、モノトーンをおもわせるような静けさを感じる。

かつ、黒い紙面に、白抜きの文字。
文字は文字、画は画と、かき分けられているので、それぞれ独立している。

 

これは、、、、大人だ。

黒い紙面であるぶん、川の水の中の静けさ、穏やかさを感じる。そして、そこに突然空からやってくる鳥や花びらややまなし。

 

絵本も、構成や絵によって、これほどまでに印象が変わるのか、、、という気がした。

理論社の『やまなし』は、おにいちゃんカニに負けじと大きな泡をだそうとする弟カニが主役のような気がしたのだけれど、好学社の本作は、川そのものが主役で、助演男優賞カニのお父さん、って感じ。

 

絵本って、面白いなぁ。
深いなぁ。。。

編集の仕事と一言で言っても、ほんとに幅広いのだね。。。。写真集や図録っていうのもまたちょっと違うし、仕事として興味を持ったことはなかったけれど、面白い。

 

以前読んだ、『本を味方につける本』で、本の物理的な構成も面白いと思ったけれど、編集もまた、面白い。

megureca.hatenablog.com

 

イエローサブマリーンのヨットパーカーの少年のように、一日に何冊も本が読めたらいいけど、私にはそんなことはできない。だからこそ、読む一冊を大事にしよう。。。

megureca.hatenablog.com

 

そんなことを思った。

 

絵本も、いいね。

 

本も絵本も、旅でもなんでもそうかもしれないけれど、同じものでも繰り返し経験していると、気が付かなかったものがみえてくることがある。

 

前に、同じ本を数十回以上読んでいると、自分で書いた本のような気がしてくる、と言っていた人がいた。(それは、ビジネススクールで教本としていた『信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学』という本だった)。そこまでの境地に至ったことはないけれど、読み直し、学び直しは、遊び直し、習い直し、、、それが楽しめるのは、中年以降の特権かもしれない。

 

本なら気軽に何度でも読める。

やっぱり、読書は楽しい。