ゆきのひのうさこちゃん
ディック・ブルーナ ぶん/え
いしいももこ やく
福音館書店
1964年6月1日発行
2010年4月1日 改版
2019年8月10日 第164刷
石井桃子さんの絵本を求めて、図書館でさがした。うさこちゃん!うさこちゃんだよ、ミッフィーじゃないよ。ちなみに、ミッフィーというのは、オランダ語から英語に翻訳された絵本で使われた名前らしい。いまでは、ミッフィーといったほうが日本でも知られている。うさこちゃんというのは、昭和世代だけかな。。。
本書は、ほぼ正方形くらいのかたちの左開きの小型絵本。
うさこちゃんも、福音館書店の本だったんだ。気が付かなかった。
そして表紙の見開き裏には、
「_なまえ________」 と、名前を書く欄がついている。
本に名前を書くって、保育園や幼稚園で誰の本だかわからなくならないようになのか?ものに名前を書くということで、ものを大事にすることを教えるためのなのか?
我が家には、うさこちゃんの本があったかなかったか、、記憶にないけれど、わたしは、うさこちゃんが好きだった。小学生の時だと思う、はじめて買ってもらった腕時計は、黄色い本体に黄色いバンドのうさこちゃんの時計だった。腕時計をすると、ちょっとお姉さんになった気がして、すごくうれしかったのを覚えている。あの時計、、、どこへいっちゃったんだろう。。。。大のお気に入りだったのは覚えているけれど、あまりその時計を身に着けた記憶はない。中学生くらいになったら、子どもっぽいとか言って使わなくなったのだろうか。。。私が小学生の頃、サンリオが流行り始めたころだったけれど、わたしはキキ&ララよりキティより、うさこちゃんがすきだった。だって、お口がバッテン!無口そうだし、、、?! 当時の私がなぜうさこちゃん好きだったのかはわからないけれど、若干天邪鬼だった私は、みんなが好きな流行りものにはあまり興味がなく、うさこちゃん派だったのだ。まぁ、いまでは、うさこちゃんよりキティのほうが気になるけど、、、。それは、サンリオ商売にまんまとハマっているってことか。。。
「あるひ うさこちゃんがいいました。
「ほら ごらんなさい まどから そとを
ゆきが ふったわ あんなに たくさん。
ばんざい。 あそびにいってもいい?」
そう、これは、うさこちゃんが雪の日に、そとに遊びに行くお話。スケートして転んじゃうけど、ケガなんかしない。ゆきだるまをつくって人参でお鼻をつけてあげる。ことりさんが寒そうにしているので、とんかんかんって、ことりのお家を作ってあげる。もうねんねの時間よ、とお母さんによばれてお家に帰ったうさこちゃん。
「ちいさな とりさん おやすみなさい。
あした また 一緒に あそびましょ」
THE END
なんなんだ、このどうしようもなくかわいいお話は!!!
絵本というのは、たんたんと、こうして出来事を綴っていくものなのか。あんまり考えたことが無かったけれど、大人の小説のようなストーリーの複雑さがないから、頭の中がすーーっと整頓されるような、不思議な感覚がある。
うさこちゃん、あしたもことりさんとあそぶのかな。
羨ましい。
実に、平和な一冊。
うさこちゃん、おくちはバッテンだけど、また一緒に遊びましょって、とりさんを誘うこともできる。
こりゃ、なごむ。
おとなも、もっと絵本を読むべきだとおもった。
りっぱな読書だわ。