『ジンジャーとピクルズやのおはなし』 by ビアトリクス・ポター

『ジンジャーとピクルズやのおはなし』
ビアトリクス・ポター さく・え
いしいももこ やく
福音館書店
1973年1月20日 発行
2002年10月1日 新装版発行
2019年11月5日 新装版改版発行
ピーターラビットの絵本ー12

 

石井桃子さんの翻訳絵本をもとめて、ピーターラビットシリーズ12。シリーズ12は、なんと、時々白黒の絵がでてくる。色をつけるのがめんどくさくなっちゃったのか、、?!でも、それはそれで、素描っぽくていい感じ。これはこれでいい。

 

そして、シリーズ12のタイトル『ジンジャーとピクルズ』は、ちいさなは可愛らしいお店のお話。そこでは何でも売っているので村の便利屋さん。そこにやってくるのは、お人形のルシンダやジェイン。シリーズ7ででてきた、ねずみに荒らされた人形の家の住人達。あるいは、うさぎやねずみがお客さん。

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お店の名前は、店の主人たちの名前で、ジンジャーは黄色のオスねこピクルズは、テリア種の猟犬。うさぎたちは、ちょっとピクルズをこわがり、ねずみたちは、ちょっとジンジャーを怖がりながらも、お店に買い物にやってくる。

ジンジャーは、ねずみたちがお店に客としてやってくると、ほんとうは、たまらない気持ちになる。でも、ピクルズに
「じぶんのみせにくる おとくいを たべてしまうなんて、いけないことだからね。そんなことをすれば、ねずみたちは みな タビタおくさんのみせにいってしまうよ」
と、いわれる。

ここででてきたタビタおくさんは、こねこのトムのお母さんだ!
シリーズ4で、こどもたちが洋服をよごしたこと叱って、2階にかくしたうそつお母さん。

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でも、ジンジャーは、憂鬱そうに、
「そんなこと あるものか。たべられてしまえば そのきゃくは どこにいけるっていうんだね?」って・・・・。

村には、2件のお店があった。「ジンジャーとピクルズ」の店と、「タビタおくさん」のお店。でも、何が違うかって、「ジンジャーとピクルズ」は、いくらでも「かけ」でうっていたのだ!

かけで売るって、要するに、「つけ」ってこと。絵本の中では、次のように説明されている。

 

”さて かけというのはこういうことです。 おきゃくが せっけんを1個 かったとします。けれども その人は さいふをだして お金をはらうかわりに、また こんど はらいます というのです。 すると ピクルズ はていねいにおじぎをして、「けっこうでございます。 おくさま」と言って、そのことをちょうめんに かきつけます。”

 

というわけで、ジンジャーとピクルズの店は、タビタさんの店の10倍もの売り上げがあったけれど、おかねがなかったのです!!

ようするに、商売下手か・・・・。

 

そして、とうとうお金が無くてこまってしまう。そこで、ピクルズは、1950円ものベーコンのかしがあるねずみの ひげのサムエルに請求しようと提案するが、ジンジャーは、払ってもらえるはずがないし、さいくんのアナ・マライアは、店のクラッカーをしっけいしているといいはる。

ピクルズいわく、「あれは、きみが じぶんで たべてしまったんだよ・・」。

そして、いよいよ店の経営はあやしくなる。

 

そこへ、巡査がやってきて、なにやらメモをしている。巡査は、ルシンダとジェインが人形の家をねずみにおそわれたときに、おんなのこが買った巡査と思われる。

ピクルズは、猟犬なので、巡査のかんさつをうけなきゃいけなくて、巡査が怖い。ジンジャーは、ピクルスに「巡査にくいつけ!」とはっぱをかけるけれど、ピクルスはわんわんほえるばかり・・・。「たかが、ドイツせいのにんぎょうじゃないか」と、ジンジャー。


そうか、ルシンダとジェインもドイツ製の人形だったのかもしれない・・・。

 

巡査は、封筒をのこして店をでていった。封筒の中にあったのは、税金の通知で、「3998円」とかかれていた。


店の品物は空っぽ、お金もない、とうとう二人(匹)は店を閉めることにしてしまった。

ジンジャーは、うさぎの森にすみ気楽に暮らし、ピクルズは森の獣がたられないように見張りをしているらしい。

 

二人のお店が閉店してしまったので、みんなたいそう不便になってしまった。タビタおくさんは、早速、全てのものを10円値上げした

タビタおくさんは、やりてばばぁらしい。

 

でも、タビタおくさんのお店の品と、行商でやってくるパン屋のティモジーさんの品だけでは、みんな不便だった。

 

しばらくすると、やまねのジョンさんが、娘と一緒にはっかドロップと ろうそくを売り始める。でも、そのろうそくはねずみには大きすぎるし、つかっていると、たいそうへんなかたちになってしまう。ジョンさんに苦情をいいにいったけれど、ベッドの中で「寝心地は上等」といって寝ているばかりで、ねずみたちにとりあわない。

おみせをしているひとが、こういうことで いいのでしょうか。”って。

 

そこで、めんどりのヘニ―・ペニーが、ジンジャーたちのお店を引き取って、再開させた。みんな大喜び。ヘニ―・ペニーは、ぜったい、現金払いでお願いした。だから、てんてこまい。でも、それは、ヘニ―・ペニーがいじわるなわけではありません。

そこでは、だれもが 気に入るものを なにかみつけることができました。
おわり。

 

ほほう。シリーズ12は、商売についてか・・・。
ニコニコ現金払いがいいってことね。

つけではらっていると、その代償はあとで自分たち客にもふってくる、ってこと。健全な経営は、健全な財務管理にて成り立つってか。

 

シリーズ12では、たくさんのニューキャラがでてきたぞ。

やまねのジョンさん。

パン屋のティモジーさん。

めんどりのヘニ―・ペニー。

この後、でてくることはあるかしら??

 

続きが楽しみ。