ストレスフリーな脳になる ご機嫌脳活ルーティン
茂木健一郎
Gakken
2021年4月27日 第1刷発行
図書館で 茂木健一郎 で検索していたら出てきた本。表紙では 茂木さんが踊っている。。。。 そして ピンクの文字。なんとも、、、軽い感じ。
表紙の裏には、
” 毎日の生活に ルーティンを取り入れて「自粛ストレス」に負けない、プルンプルンの健康 脳になりましょう!”とある。
中表紙もピンク。。。
長引く 新型 コロナウイルスで自粛 が続く中、 ストレスを解放しよう!ということで出版された一冊 らしい。
はじめに、の茂木さん説明によれば、”日々の生活の中にルーティンを取り入れ、毎日決まった動作を続けると、どんな状況であっても脳の機能が安定してストレスなく行動できるようになる。”のだそうだ。
さらに、 ルーティンを取り入れると脳の負担を極力減らせるということ。スティーブジョブズが、着るものの選択に時間を使わないために、いつも同じものを着ていたのは有名な話。要するに、判断力を使わないですむということを実行していた。確かにね、毎朝、何着ていこう、、、、って考えないですむのは、らくちんだ。
そうやって、 自分がポジティブになれる習慣をつけ、 毎日を充実させ、コロナに負けず、人生をストレスフリーでいきましょうという一冊。
まぁ、脳に不要なストレスをかけないにこしたことはない。別に、コロナ禍、自粛とかなくても、ルーティンの効用はあるだろう。わかっちゃいるけど、やっていなかったことを、やってみようかな、っていう気になる一冊。
CONTENTS
はじめに 日常にルーティンを取り入れて、自粛ストレスに負けない脳を手に入れろ!
CHAPTER1 ルーティンを活用して ご機嫌な脳になろう!
CHAPTER2 目覚めていきなりトップスピード! 茂木式 モーニングルーティン
CHAPTER3 原始の脳を取り戻せ!ワイルド脳活ルーティン
CHAPTER4 経験が脳の栄養になる! チャレンジ 脳活ルーティン
CHAPTER5 頭脳に若さを取り戻せ!わくわく 脳活ルーティン
CHAPTER6 没頭!熱中!全集中! ご機嫌 脳活ルーティン
おわりに 植物を育てるように脳を育てよう!
感想。
軽い!なんとも、軽いタッチ。あっという間に読める。でも、まぁ、言っていることはそうだよね、はははは、、、、って感じ。
人間は、歩くときに足をどう動かすか考えない。自動化された回路が脳に出来上がるから、歩くのに、いちいち考えたりしない。だから、脳は疲れない。同じように、ルーティンを決めてしまうと、脳が自動化されるので、ストレスにならなくなる、って話。
たしかにね、そうだろうね。
毎日、朝食を決めてしまえば、何を作ろうとか、何を買っておこうとか、迷わない。通勤だって、基本的にはおなじルートだろうから、どうやって行こうかと毎回考えたりしない。酔った後の帰巣本能も、似たようなモノか?!
茂木さんによれば、
毎日 ルーティンを繰り返す → 経験の蓄積で脳の回路が強化される → いつもフレッシュな脳で新しいチャレンジができる!
となるのだそうだ。
チャレンジするときには、脳は頑張らなきゃいけない。頑張りの必要のないところをルーティンにして、頑張るための元気を残しておくってこと。また、「脳は何歳になっても成長できる」というのが、茂木さんのもっとう。そのチャレンジの余力のために、ルーティンを作ろう!って。
コロナ禍で社会に蔓延していた同調圧力は、ルーティンを邪魔する。他の人の価値観に左右されると、自分の没頭できる世界が小さくなってしまうということらしい。人は、群の中で自分の安全を守るために、どうしても同調しようとする意識がはたらいてしまうのだそうだ。そりゃそうだ。かつては、それが命を守るということだったのだから。
人から変人と思われようと、自分のルーティンを守れる人は強い、と。たしかに、世の中で成功している人の中には、自分のルーティンにこだわる人が多い。おとなりさんがやっているから私も、、、、という行動様式の人が、社会の中で開拓者やリーダーになっていくことはあまりない。
本書の中では、茂木さんの変人っぷりも、いかんなく発揮されている、、といえる。だから、楽しい。
文明的なものをそぎ落として、日常に「自然のサイクル」の「ぼんやり」時間を取り入れることを薦めている。「ぼんやり」している時間、いってしまえば、ぼけ―――っとしている時間が大事だというのだ。
何も考えず、ぼんやりした時間を大切にしていると、 デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が働く。DMNは、特に意識的なタスクをしていない時、ぼんやりしている時に脳内で活発に行われている神経活動のこと。近年の研究では、DNMが活発になると、 創造性が高まるという事実がわかってきているそうだ。
ボーっとする時間、大事!!
詰め込み過ぎていると、脳が疲れるのは気のせいではない・・・。ボーっとする時間が無いと、創造性がそがれていく感じがするのは、だれでも経験しているのではないだろうか。
散歩とかお風呂とか、ぼーっとしているときこそ、神経活動が活発になっているのだ!
また、雑談というのも、人々のネットワークを生み出すために重要であるということ。コロナで人との雑談が減って、なんとなく生産性が落ちた気がしたのは気のせいではない。人間にとって、雑談は、脳の活性化に必要なのだ。
また、茂木さんは、自分自身への「無茶ぶり」でやぶれかぶれの経験をすることも薦めている。もちろん、成功して、ギリギリのハードルを超えれば、達成感の喜びにドーパミンがでる。その無茶ぶりが、脳の「強化学習」につながるのだそうだ。
慣れないことにチャレンジして、成功すると脳がよろこぶ。また、「書く」という行為を通じて手をうごかすことも、脳が活性化する。脳のアンチエイジングには、慣れないことでもチャレンジして、それを書き留めるというのがいいみたい。
ラストメッセージは、「平常心で生きよう」って。
「よく寝て、よく食べて、よく運動する。それが私たちの脳を守る上での最も重要なルーティン」と。
まさに、私がいつもいっていることではないか!
ストレスフリーな脳とは、ただぼーっとしているということではなく、新しいチャレンジの余力があって、ワクワクすることができる脳ってことかな。
自分の中のルーティン、一度見直してみよう。 そんな気になった一冊。
散歩もお風呂も、DMNをはたらかせるために、時間を確保しよう。
あっという間に読める。
気分転換に良い一冊かな。
読書は、楽しい。