『病院清掃 35年のプロが教える 病気にならない 掃除術』 by 松本忠男

病院清掃 35年のプロが教える 病気にならない 掃除術
松本忠男
幻冬舎
2021年11月25日 第1刷発行

 

 図書館で、ふと、棚の中で目に入った一冊。 断捨離以前の掃除術。これは、、、と思って手に取ってみた。、 、パラパラとページをめくってみると、 簡単にさらっと読めそう。
時間つぶし用に借りて読んでみた。

 

表紙をめくると、
・危険な汚れの8割は見えていない
・窓を開けても、 ホコリは外に出て行かない
・ 窓際に壁際にベッドを置いてはいけない
・手洗いで病原性のあるものはほぼ取り除ける
とある。
そして、裏表紙側には、
・ ワイパー シートは 裏返して使ってはいけない
・室内で「ほうき」や「はたき」を使ってはいけない
・玄関マットは縦長にひっつくのが正解 誘
・ ペダル式ゴミ箱はホコリを撒き散らしやすい
と続く。

 

どうだろう。およよ、そうなの???っておもったことが一つ二つはあるのではないだろうか。ということで、読んでみた。

 

著者の松本さんは、㈱プラナ代表取締役社長、ヘルスクリーニング㈱代表取締役社長。東京ディズニーランド開園時の正社員、㈱ダスキンヘルスケアを経て、亀田総合病院のグループ会社に転職し、清掃管理者として約10年間、現場のマネジメントや営業に従事。1997年、医療関連サービスのトータルマネジメントを事業目的として、㈱プラナを設立。
掃除の世界のプロ、って感じ。

 

目次
はじめに  正しく拭くことが大切な人の命や健康を守る
第1章 お掃除があなたと家族の健康を守る
第2章 お掃除の常識を見直してみる
第3章 お掃除はもっと簡単で楽になる 
第4章 人生で大切なことは 掃除が教えてくれた
おわりに

 

感想。
なるほど!勉強になりました!
結構、目からウロコ。

 

小学校でやっているような掃除は、掃除としてはほとんどがNG社員教育だと言って、やたらと掃き掃除したり、水拭きしたり、はたまた、トイレを素手で洗うなんて、とんでもない!と。感染リスクが高まるだけで、素手でやればきれいになるなんてことはあり得ない!って、そりゃそうだ!!

学校や会社で「みんなで掃除」ってやるのは、ほとんど精神的な何かが目的であって、本来の「命を守るための清掃」とは、まったく違う方向にいっているのだと。

へぇ、ほぉ、そうか、そうだよね、って、かなり共感しながら読んだ。

 

私は、コロナのときにもほとんどアルコール消毒や、いわゆる消毒薬を持ち歩くことは一切しなかった。施設に入るときに求められればアルコール消毒はするけれど、あんなもの、気休めにしかならない。それより、手洗いの方がよっぽど清潔を保てる。そのことを本書ではちゃんと説明してくれていて、そうだ!そうだ!って思った。

 

一番の目からうろこは、
「水拭きはNG!! 汚れを広げるだけ!」
ってこと。

言われてみればそうなのだけれど、、、、小麦粉が散ってしまったキッチンで、水拭きするとどうなるか、、、、。小麦粉がそこら中にべとべとに張り付くだけで、水拭きをしたところで小麦粉は取れない。なによりも、「乾拭き」が最初のステップ!だそうだ。
たしかに、キッチンペーパーとか乾いたもので小麦粉を集め取って、おおかた無くなったら水拭き、というように私自身も実行している。だって、いきなり水拭きするとふきんがべとべとになることを知っているから。。。。でも、ふだんの食卓の上とかは、ついつい、濡らした布巾で拭いてしまう。。。。あれも、汚れをひろげているだけだったのか、、、と思うと、、、ぞっとする。

 

まして、汚れた机にいきなりアルコール噴霧して拭くのも、ぜったいNGだそうだ。汚れやホコリのある状態でアルコールを噴霧しても、机の表面にアルコールが届かないので無意味。まして、アルコールの水分で汚れをさらに広げることになるのだ、と。

いわれればその通り。

 

最初に、「あなたのお掃除法が家族の健康を脅かしている」という、ショッキングなタイトルがある。私たちは、一生懸命掃除をしているけれど、肉眼で見える汚れというのは、汚れのうちの2割に過ぎず、危険な汚れの8割は肉眼では見えないのだそうだ。肉眼で見えないのは、ウィルス、カビ、花粉、などなど、、、。本当に身体に悪いものは目に見えない!だからこそ、ちゃんとした理論に基づいた掃除が大事、っておと。

換気についても、掃除をする前に窓を開けるのはNG。換気は、掃除が済んでから。窓を開けても、部屋の中のホコリが舞うだけで、ホコリが外に出ていくことはないのだそうだ。あぁ、確かに・・・。掃除をする前に換気をすると、部屋中がホコリやカビだらけになる、と考えた方がいい。空気中にまってしまったホコリやカビは、掃除機でも床モップでも、取り除くことができない、ということ。

 

私は、フローリングの床掃除に、ルンバを毎朝タイマーでかけているのだが、数日間留守にしていると、ホコリの回収量が半端ない。ごっそりとれるのだ。毎日活動しているときより、留守の時の方がホコリが取れるって、謎?って思うけれど、ようするに、留守だと空気がかき回されないので、ホコリが静かに床に溜まっていく。ルンバは、通常の掃除機に比べると排出空気で室内の空気をかき乱すこともないので、より多くのホコリが回収できる、ということのようだ。ちょうど、先日、そんな話をしていたところで、本書にであって、私の留守宅ホコリ倍増理論が裏付けされたようで、嬉しくなった。。。


ホウキも、ホコリを舞い上がらせてしまうので、NG。水でぬらした雑巾がけも、汚れを広げてしまうので、NG。つまり、小学校でやっていた掃除は、全部NG!!!ってこと。
これは、、、びっくり。

 

先日、稲垣さんが『家事か地獄か』のなかで、ホウキと雑巾だけで掃除をしていると書いていたので、おもわず、おしえて差し上げたくなる。「乾拭き」だけのほうが断然楽だし、効果も高いということ。

 

フローリングの床なら、掃除機よりワイパーシートがおすすめとのこと。でも、もったいないからといって、裏返して使っちゃいけないよ!って。裏返した瞬間に、汚染物質が飛び散ってしまうから。でもって、一回使ったらすぐビニール袋に入れてポイって。

あぁ、、、それはできない、、、、私は、フローリングワイパーは何度も使ってしまう。。。流石に、裏返して使うことはないけれど。。。。でも、どれだけルンバが掃除してくれたとしても、ワイパーをかけると、たんまりホコリと汚れが取れるのは知っている・・・。やっぱり、フローリングには、ワイパーなんだよね。。。何をケチっているのか、、、。気前よくつかって、気持ちよい床にしよう!

 

我が家では使っていないけど、ペダル式ゴミ箱もホコリをまき散らしやすいのでやめた方がいいそうだ。足でふんで、パコン!って蓋があくやつ。うん、それは何かわかる。踏んで蓋を開けて、ゴミをいれて、、、足をはなすときになんだか、中のゴミをまとった空気を浴びる気がするから、好きじゃなかったのだ。でも、実は開けた蓋が閉まる時より、蓋が開くときに、中のゴミがまき散らされやすいのだそうだ。

蓋つきのゴミ箱って、やっぱり、微妙。。。。蓋が汚れて不衛生だし、、、蓋なんて要らないと思う。。。

 

生物学的実験室では、「蓋つきゴミ箱」の使用が義務付けられていたのだけれど、あれだって科学的に調査したら、蓋なしの方が衛生的な気がする。。。そもそも、感染リスクがあるようなゴミであれば、通常のごみ箱すら使わない。ただ、通常の実験用生物がついているというだけで、蓋つきゴミ箱使用というのは、間違った方向だったような気がする・・・。
でも、たしか、厚労省の指針だったような、、、。

 

掃除は、乾拭きで。
こまめに。

著者にとっては、ナイチンゲールの『病院覚え書』がすぐれた参考書だったそうだ。
科学的に正しい知識で、健康を守りましょう。

 

乾拭きで、ささっと掃除を済ませるっていうのが、らくちんだし、効果的ってこと。手間を減らして、効果的な掃除をしよう!使い捨てのキッチンペーパーがとても優秀。もったいないと思うのなら、4等分に切って使ってもよし、って。

 

なかなか、勉強になる一冊でした。

読書は楽しい。