展覧会「フランク・ロイド・ ライト 世界を結ぶ建築」 @ パナソニック汐留 美術館

フランク・ロイド・ ライト 世界を結ぶ建築
[ 帝国ホテル 2代目 本館 100周年]
@ パナソニック汐留 美術館

 

汐留のパナソニック留美術館で開催中の、フランク・ロイド・ライトの展覧会に行ってきた。開館20周年記念展とのこと。

 

雨が降る三月の平日。そんなに混んでないだろうと思って行ってみたら、なんと、整理券で順番待ち・・・。12時過ぎにビルの4階にある美術館に到着してみると、整理券を配っていた。「今からお渡しできるのは、14:10~入場の整理券です、、、」と。いやいや、二時間は待てないでしょ。しかも、13:30から別の用事もあって、それを済ませて汐留に戻ると15:00前になっちゃう。15:00~の整理券は貰えないのか?と受付のお姉さんに聞いてみると、順番にお出しすることしかできません、、、と。

 

Webからの予約ができたそうだが、当日でそれも間に合わない・・・。
「こまっちゃいましたねぇ。どうしたら15:00過ぎからみられますかね・・・」といったら、「お一人ですよね。とりあえず、14:10~の整理券をお出しするので、できるだけ近い時間にきてください、、。」と、なかなか優しいお姉さんだった。

 

というわけで、一旦、美術館を後にして、東銀座のジムまであるいていくことに。でも、ジムの予約は13:30なので、しばしコーヒーショップで時間つぶし、、、。ま、読書して時間を過ごすので、別にいいんだけどね。

 

で、予定通りにジムのプログラムに参加して、シャワーを浴びたら汐留までとんぼ返り。14:40頃には、到着。いただいた整理券でそのまま列に並んだら、入場することができた。

 

大きな荷物は、無料のロッカーがあって預けることができる。バックパックとコートをロッカーに預けて、いざ!

 

と、入ってみると、結構混んでいる。なかなか、混んでいる。。。そもそも、小さな美術館というか、小さな展示スペースなので、「空いているところから自由にご覧ください」と。何度も係りの人が叫んでいた。そして、なんか、係りの人、多すぎ、、、、。だから混んでいいるんじゃないの?ってくらい、係りの人が多かった・・・。

 

展示されているのは、ライトの作品の写真や、デザイン図、設計図。それに日本語と英語で解説がついている。ライトが集めた浮世絵も、現物ではないけれど色々と写真が飾ってあった。また、ライトがデザインした家具や、食器も一部展示されていた。写真撮影は禁止・・・。禁止するほどのデリケートなものはないと思うんだけど、、、。

 

フランク・ロイド・ライトといえば、日本では帝国ホテルで有名。母国アメリカ以外では、日本だけにその作品が現存しているのだそうだ。ライトと日本建築との出会いは、1893年シカゴ万国博のパビリオン日本館鳳凰殿。その時の写真が展示されていた。

 

展示テーマは、
1  モダン 誕生  シカゴー 東京、 浮世絵的世界観
2 「輝ける眉」からの眺望
3 進歩主義教育の環境をつくる
4  交差する世界に立つ帝国ホテル
5 ミクロ/マクロのダイナミックな振幅
6  上昇する建築と環境の向上
7  多様な文化との邂逅

 

作品的には、私は高層ビルより、個人の邸宅や、自分のアトリエを作っている時代が好きだ。デザインのモチーフとして、オーウェン・ジョーンズの『装飾の文法』という本が展示されていた。色々なお花がカラフルに描かれている。まるで、ビアトリクス・ポターのスケッチみたい。

megureca.hatenablog.com

 

ライトは、たびたび「 大地こそ建築の最も簡素な形態である」と述べて、生涯にわたって自然やランドスケープへの情熱を抱き続けた。アーティストは、自然に学ぶのだ。

 

アメリカの建築家であるライトだけれど、祖父のルーツにウェールズが関係しているのだそうだ。そして、そのケルトが住むウェールズは、ドルイドという祭司がいてる多神教の宗教。その環境が、ライトが日本の文化になじみやすいバックグラウンドを与えていたのではないかという。浮世絵や、鳳凰殿に心をうばわれたのは、そこにキリスト教とは異なる何かをみいだしたのか?ウェールズケルトというのは、やはり、ちょっと特殊な文化なのかもしれない。ちなみに、祖先がアーサー王に仕えていたという誇りのようなモノもあったらしい。やっぱり、アメリカ人の歴史には、ブリテンの歴史がかぶってくる。世界史を学ぶなら、イギリスからなのかもしれない、、、なんて思う。

 

帝国ホテルに関する展示は、多くのスペースを使われていた。そりゃね、帝国ホテル二代目本館100周年記念でもあるからね。中には、食器類も。ノリタケが製造元になっていたけれど、今でも見かけるデザインだった。そうか、あれは、もともと帝国ホテル用だったのか・・・。調べたら、いまでもノリタケで、「フランク・ロイド・ライト インペリアル」シリーズとして購入することが可能だった。

フランク・ロイド・ライト インペリアル | ノリタケ食器公式オンラインショップ

 

展示物のなかでは、やっぱり設計図や、デザイン図がかっこよかった。シャープな直線に円形。そして、形のない自然の木々や水。どれも、かっこいい。。。。一枚、いただきたい、、、って感じ。

 

そこそこ混んでいたので、最初にぐるっと一周してから、ゆっくり各テーマを見て回った。およそ1時間くらいかけて楽しんだ。ショップには、ライトの作品をモチーフにした文房具やエコバック、絵葉書などが販売されていた。

 

めったに手を出さないのだけれど、、、おもわず、展覧会公式図録に手が伸びてしまった・・。税抜き2800円。たくさん文章ものっていて、写真もいっぱい。ついでに、日本語も英語も載っている。これは、、、英語の勉強にもなるし、とおもって、思わず買ってしまった。

 

3月10日までの予定なので、のこりカウントダウンの時期ということもあったのだろうけれど、私が出口に向かう時間にも、まだ、整理券をもらって並んでいるひとが大勢いた。ちらりと整理券を持つ人の手元をみたら、18:10~の入場、、、って、後二時間半。うわ~~~、、、結果的に、現地で待ちぼうけを喰らわずに観ることができて、ラッキーだった。

 

やっぱり、建築も好きだ。作品が「使える」モノであるところがいい。私は、美しくて、機能的なものが好きだ。機能的なものは美しいともいえる。そして、建物のデザイン図も美しい。あぁ、心が豊かになれる展覧会だった。

 

大人1人1200円。建築に興味があるなら、お薦め!! 建築の現物が見られるわけではないど、いろいろ妄想が膨らんで楽しい。自然の中にたたずむ建築たち。あぁ、いつか、本物を観に行きたい。