歴史を味方にしよう
童門冬二
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2016年1月29日 第1版 第1刷発行
図書館のティーンズのコーナーで見かけた本。歴史ね、大事だよね。「味方にしよう」とじは、また面白いタイトル。ささっと読めそうなので、借りて読んでみた。
表紙裏には、
” 歴史は闇を照らす灯り。
歴史を学ぶということは、 日々の生き方を学ぶということです。 自分がどう生きていくか そのための手がかりや足がかりを学ぶことができるのです。”
あら、歴史総合パートナーズと同じようなこと言っているわ。
本の紹介には、
”私たちはなぜ歴史を学ぶのでしょうか。端的に言えば、それは歴史の中に生きる知恵がたくさん詰まっているからです。私たちが未来を進んでいく時、歴史は足元を照らす灯りとなり、道に迷いそうな時には、行く先を示してくれます。
教科書を読むことだけが歴史の勉強ではありません。例えば、歴史を題材にしたドラマやマンガ、ゲームで気になる人物に出会ったら、そこから「イモヅル式」にたぐり寄せていくことで、どんどんおもしろい世界が広がっていきます。
本書は、歴史作家・童門冬二氏が、歴史を味方にすれば、心強く人生を歩んでいけるということをやさしく紹介したものです。”
著者の童門さんは、 1927年 東京生まれ。本名・太田久行(おおた・ひさゆき)。作家。 東京都立大学事務長、 東京都広報室長・ 企画調整局長・ 政策室長などを歴任。1979(昭和54)年、美濃部亮吉 東京都知事の退任とともに 都庁を去り、作家活動に専念する。都庁在職中の経験をもとに、人間管理、組織運営の要諦や勘所を歴史と重ね合わせた作品で、 小説、 ノンフィクションの分野に新境地を拓く。面白そう。膨大な著書があるようだけれど、私は、読んだことはないと思う。
もくじ
第1章:「歴史の勉強がつまらない」と言う君へ
第2章:こうすれば歴史がおもしろくなる、どんどん身につく
第3章:歴史を活用して楽しもう
第4章:この人たちから学ぼう
感想。
ふふふ、楽しい。 やっぱりね、楽しく学ぶのがいいよね。
第1章ではいきなり「ヤマタノオロチの正体は?」というテーマから始まる。そもそも、「ヤマタノオロチ」をちゃんと説明できるかと言われると、、、えーっと、八また、八つの頭の大蛇が、 スサノオノミコトに退治された話・・ってくらいしか言えない。その正体?!と言われると、むむむ?何々?とおもっちゃう。持っていき方がうまい。
スサノオノミコトは見事に大蛇をやっつけて、 その蛇の腹の中にあった 立派な剣を持ち帰った。 この剣が後に天皇のシンボルである「三種の神器」の一つとなった、ということ。
で、童門さんの小学校の先生は、「八つも頭を持つ蛇なんか、いるはずない。」といきなりいったというのだ。(笑)
そして、 ヤマタノオロチとは「8人の鉄の生産者」のことで、彼らが砂鉄をあつめて篩をかけることで、下流の農村が水害を受けることがあり、スサノオノミコトは、鉄の生産者と農村の間の交渉を取り持った、というのが先生の説だという。そして、
「 スサノオノミコトのように 『古事記』や『日本書紀』では神とされている存在も、元々は私たちと同じ人間であり 生活者だ。」とおっしゃったのだそうだ。そのことが、童門さんの歴史に対する見方を決定づけた、と。
「 歴史は全て生活者の記録である」ということ。
どんな偉人であろうと、 その時代を生きた生活者たちの物語、ということ。
そういわれると、急に歴史が身近に感じる気がする。なるほど、なるほど!
そして、 米沢藩(現在の山形県) の上杉鷹山(藩を立て直した偉人、 内村鑑三の『代表的日本人』に描かれている一人でもある)の先生の言葉が引用されている。
「 学問は、 暗い夜道を歩くとき、 足元を照らしてくれる提灯のようなものだ」
童門さん曰く、
「 学んだことが、人生を歩くとき、 行く先を照らす明かりになってくれます。 逆に言えば、 勉強しなければ、闇の中を手探りで歩かなければならなくなるということです。」
そうなんだよねぇ。。。。
とまぁ、私がそういうことに気が付いたのは、30代を過ぎてからかもしれない・・・。
そして、歴史を学ぶことが、どんなに楽しいことか、という話が続く。
・歴史を学ぶと、視野が広がっていく。
・歴史のスケールでみると、たいていのことはささやかなことだと気づく。
・小説で学ぶのでもよい。
・童門さんの座右の書は吉川英治の『宮本武蔵』
・司馬遼太郎作品『竜馬が行く』『 坂の上の雲』『 翔ぶがごとく』は読みやすいのでお薦めだけれど、作者の「こうあってほしい」という思いが強く反映されているので、実際の人物像とは異なる面があることを理解して読むこと。
そして、歴史に学ぶ、人気者の条件
・誰もしないことをした
・行動的である
・名誉や財産を求めない
・身の処し方が潔い
・愛嬌があった、 憎めないところがあった。
これは、昔から現在まで共通しているんじゃない?って。
たしかに。
織田信長、 伊達政宗、 長宗我部盛親、前田慶次、真田幸村、、、、。
で、豊臣秀吉は、最後の身の処し方がみっともなかったのが残念だって。(笑)
秀頼が生れてからは、秀頼のために私利私欲の塊のようになってしまったって。
第4章、この人たちから学ぼうでは、「歴史人物のココが!」って、各人のすごいところが説明されている。
織田信長、徳川家康、 真田幸村、 徳川家光、 徳川吉宗、 勝海舟、 西郷隆盛、 大久保利通、 坂本龍馬、 伊藤博文、 福沢諭吉。
あるいは、名言を遺した武将たち。
「 私の嫌いな人間の悪口を言うな」(藤堂高虎:徳川家康・秀忠から信頼された)
「 今回負けても次に勝てばいい」( 後藤又兵衛: 黒田官兵衛の家来)
「 真の勇者とは 人の過ちを咎めないことだ」( 木村重成: 豊臣秀頼に仕えた)
「 心に欲がない時は人間 豊かに生きられる」(上杉謙信)
教科書で勉強する前に、この本を読んでいたら、もっと歴史を楽しく学べたかもなぁ、と思う。
歴史なんてめんどくさいなぁと思っている大人にもお薦め。
