特別展ポンペイ
東京国立博物館 平成館で開催中の、「特別展ポンペイ」へ行ってきた。
今回はイタリア・ナポリ国立考古学博物館が所蔵する貴重な宝飾品や壁画、彫像、日用品など約150点が出品されるいわばポンペイ展の決定版。
主催:東京国立博物館、ナポリ国立考古学博物館、朝日新聞社、NHK、NHKプロモーション。特別協賛:住友金属鉱山。
コロナで入場制限をかけているために、入場の時間をネットで予約していった。
100円玉を使うロッカーに荷物を入れて、入場。後で100円は返ってくるけれど、小銭を用意するのは結構めんどうくさい・・・。
平日の11:30~12:30の入場予約。まったく並ばずに入ることが出来たけれど、中はそれなりに人が多い。といっても密になるほどの人数ではない。人気展であることがうかがえる。
大人2100円。結構、良いお値段。
入り口で、音声ガイド600円を借りる。今回の展示会のガイドは、たんなる説明ナレーションではなく、当時のポンペイの文化、人々の暮らしぶり、そして作品の見どころを、ストーリー仕立てで、二人の俳優さんが演じている。なかなか、面白い。2000年前のポンペイで再会した二人の男性が、ポンペイの街中を歩きながら会話している感じ。作品に関するクイズも盛り込まれていて、ガイド器の番号を選択して答えると、ブッブー不正解、とか、ピンポン正解!とか流れる。結構楽しめた。
結局、なんだかんだ、90分くらいかけてみた。時々、ソファーで休みつつ。
2100円は高いかな、と思うけど、ま、観れてよかった。
それに、実は、友人が招待券を譲ってくれたので、、、ただだった。お金を出してでも行こうと思っていたので、ラッキー。友人に感謝!
約2000年前、紀元79年、イタリア中南部にあった人口1万人ほどの都市が、火山の噴火で姿を消した。ヴェスヴィオ火山が噴火し、大量の噴出物が住民ごと街を飲み込んだ。多くは噴火当時のまま火山灰の下に埋もれた。 18世紀ころから発掘が始まり、人の形のまま残った空洞から石膏で型を取られたもの、TV等でも時々放送されている。まさに、生活している瞬間がそのまま、、、時が止まった感じ。
展示されていたものは、ブロンズの創作物や、大理石、モザイク画、フレスコ画などなど、、、。真っ黒に炭化したパン、イチジク、穀物なども展示されていた。
2000年も前に、水道のインフラも整えていたという、ポンペイ。やっぱり、ローマ人はすごい。紀元79年って、日本で言えば、縄文から弥生に、、、くらいの頃。展示品は現代に作られたものといわれても、あぁそうか、と思うくらい繊細な品々。
いやぁ、すごい。
当時の人々の暮らしぶりが展示されているのだが、様々な階層の人がいたことがうかがえる。奴隷を使用人としている裕福な人、ビジネスをしていたと思われる女性、自分を知的に見せるために書かせたと思われる肖像画。庭に裕福さを誇示するかのように飾られていたモザイク画。
「猛犬注意」という展示品は、家の入り口付近に装飾されていたという、黒い犬のモザイク画。まさに、番犬として本当の犬が飼われていて、加えて「猛犬注意」の文字と共に絵でも注意喚起していたという、今と変わらない。
本当に、猛犬だったかどうかはわからない。
かわいい、チワワみたいな犬だったかもしれないけど。
ワイン用のアンフォラもいくつか展示されていた。そうそう、イタリアのワイン造りは紀元前2000年からと言われているから、紀元79年、結構おいしいワインを作っていたのではないだろうか。ちなみに、ミュージアムショップでは、ナポリのあるカンパーニャ地方の赤ワインも売っていた。カンパーニャのDOCG Greco di Tufo(グレーコ・ディ・トゥーフォ)。3000円ちょっとくらいだった。一瞬買おうかと思ったけど、重いからやめた。
展示品の中には、ケーキ型や、パン型などもあり、ただこねて焼いた小麦粉ではなく、美味しく、美しく加工して食事を楽しんでいたことがうかがえる。
いやぁ、豊かな生活だ。
お風呂も人気だった。それは、「テルマエ・ロマエ」でも知っていたけど。
彫像は、ギリシャ神話の神々も多い。やっぱり、ギリシャ神話の神々を全部覚えられたら、こういう展覧会、もっと楽しめるのだろうな、と思う。
ビキニのウェヌスという大理石像があったのだけど、美しかった。ウェヌスはヴィーナスのこと。ローマの女神だ。
ポンペイは、ローマに征服される前の街。ローマ化以前に独自に発展したポンペイの文化。
2000年という歴史がすごい。
当時の人も、まさか2000年後に海を渡って、日本人に自分たちの生活の跡を覗かれるとは思っていなかっただろう。
火山で一瞬にして時間が止まった街。
主人も、奴隷も、家族も、番犬も、植物も、すべての命の時間が一瞬にして止まった街。
相続問題とか、借金問題とか、すべてが一瞬にして片付いてしまった?!?!一瞬にしてすべてが奪われる、不謹慎だけど、そうやってみんなで一緒に死ねたら、思い起こすことなく死ねる気がする。。。。だれかに、後片付けをさせることもなく、悲しませることもなく、、、。
そして、それでも、後世にのこった文化の痕跡。
すごいなぁ。
楽しかった。
なんとなく、何かを買いたくなった。
ワインは重いけど、、、ということで、ポンペイのパン屋さんをイラストにしたキャンバスバックを購入。あぁ、また、キャンバスバックが増えてしまった・・・。でも、エコバックとして使うからよいことにする。
90分歩いて結構疲れたので、構内のホテルオークラレストラン ゆりの木でゆっくり遅めのランチ。
贅沢に、リブロインステーキ グレービーソース、パン、本日のデザート、コーヒー付きで2850円。せっかくなので、グラスワイン733円も。
いつも、ゆっくりできるし、広々していてお気に入りレストラン。
客年齢層が高いので、静かなのもいい。
やっぱり、博物館は楽しい。
ポンペイでタイムスリップして、レストランで現実に戻る。
上野駅まで歩く途中、「コロナ スポットPCR無料テスト」のテントがあった。数人ならんでいた。
東京文化会館の壁には、「レイレイ(蕾蕾)」「シャオシャオ(暁暁)」おめでとう!のポスター。(暁暁)の文字が、一瞬、焼売に見える。。。いやいや、違うわ。双子のパンダ、やっぱりちょっと会いに行きたい。
改装中の国立西洋美術館は、2022年4月に再開予定。2020年に改装が始まったときには、ずいぶん長いなぁ、と思ったけれど、再開までもうすぐ。
Time flies by.
上野駅構内、ひやかしにお土産屋さんを覗いてみると、あるわあるわ、パンダグッズ。東京バナナのパンダもあった。おせんべパンダも。。。ま、それらは見るだけ、買わずに帰った。
「ナポリを見てから死ね。」
まだ、見てない。
まだ、死ねない。
はやく、自由に海外旅行にいけるようになりますように。
ポンペイ展。良かった。
博物館は楽しい。