3.11。震災から11年。
忘れてはいけない津波、原発の教訓。
あまりお薦めする一冊ではないのだけど、原発問題、ということで今日は、『亡国記』の覚書。
友人が、読んだ後、なんだかくらーーーい気持ちになった、、、と言っていた本。一応、、、読んでみるか、、、と図書館で借りてみた。
著者の北野慶さんは、北海道大学文学部哲学科卒業。韓国語翻訳を手掛けている方とのこと。
紹介文には、
”【2017年、原発事故に巻き込まれた親子が難民化してゆく過程を描写! 】 2017年春、なし崩し的に原発再稼働が進む日本列島を東海大地震が襲う。原発の破損、放射能漏れにより、日本は壊滅状態となる。京都で暮らしていた父娘は日本を脱出し、韓国から中国、欧米諸国へ…。普通の人々が国を失う姿をリアルに描写。
【原発に賛成でも反対でもない中間層に幅広く届けたい1冊! 】 賛成論・反対論に二分されてしまう「原発もの」とは一線を画し、「原発もの」である前に「読み物」として面白くあることを最優先。従来のノンフィクションでは届かなかった読者層にもアプローチします。
【火山噴火と地震が相次ぐ日本の未来を明示! 】 日本人の真価が問われるドラマ。原発と日本の地理的リスクについて見て見ぬふりをする日本には、どんな未来が待ち受けているのか? 苦難の中でも誠実に生きる親子の感動のラスト!”
とある。
う~~~ん。
ちょっと、なんか違うかなぁ、という気がする。
なんか、後味の悪い一冊だった。
以下、ネタバレあり。
主人公の家族は、福島の事故の後に京都に引っ越してきた、母、父、娘。母親は、原発反対運動をしていて東海地震が起こったその日、まさに静岡にある原発にいっていた。(浜岡原発を想定していると思われる)。地震と津波で原発は格納容器を吹き飛ばす核爆発がおきて、母親はそのまま放射能で亡くなる。京都にいた父、大樹は、小学一年生の娘、陽向をつれて、京都から西に逃げることを決心する。
二人は、車で九州に回って、船で韓国へ出国。中国、ヨーロッパ、、カナダ、、と放射能から逃れるように、難民として転々とするが、最後にはオーストラリアでの新しい人生を始める。
と、そんな話・・・。
話の大部分が、二人の親子がいかに幸運に恵まれて、様々な人に助けられて、最後にカナダまでたどり着くか、ということと、再び原発事故を起こした日本が国として滅びていく様子。。。二人の親子の将来はともかく、日本という国は、本州は人が住むことが出来ない汚染地域となり、九州は中国が占拠、北海道はロシアが占拠、沖縄は独立、、、。と。
なんだか暗くなる話だ。
あり得る事態として、
・原発事故
・富士山噴火
これは、確かにあり得る。
日本という国が亡くなるという前提は、読んでいて、それはないだろう、、、と思いたくなる。円が使えなくなって、どうやって大樹と陽向が生き延びるんだ?と、そこに助けてくれる善き人があらわれるのだけれど、そんなこと、あるかいな!と突っ込みたくなる展開。
もちろん、フィクションなのだけど、荒唐無稽なまでのフィクション、と割り切って読まないと、憂鬱な気持ちになる。陽向の同級生の家族は、北朝鮮が提供した舟で北朝鮮に渡って、命はたすかるものの強制労働を強いられるとか、、、。日本語を禁止されて、朝鮮名しか使えなくなるとか。あれ、放射能は大陸にも渡ったことになっているのに、北朝鮮はいいわけ??とか。。
よく、こんなお話かいたなぁ、、、、という気がした。
科学的にも、どうかな?と思う事もあるし、現実の世界でそんなうまいことはあり得ないという事もあるし、、、まぁ、フィクションだから。その中に、原発事故と富士山噴火、という現実としてあり得ることが盛り込まれている。ちなみに、2020オリンピックは中止になることになっている。
まだ、コロナはなかった時代の話ね。
ちょっと、なんか違うかなぁ、と感じたことの一つに、中国、アメリカ、北朝鮮が日本を占領したり、日本人を強制労働させたりする悪者として描かれていることのような気がする。。。。そこに後味の悪さがあるような気がする。
原発を考えるきっかけに、ということで執筆したのだろうか? なにも、他国を悪者のように描いて、日本が他国に占領されて国が崩壊する話にしなくても、、、と思ってしまうのだ。
まぁ、原発に限らず、日本にとってエネルギー問題というのは、いつの時代も重要。
日本のエネルギー自給率は11.8%と先進国の中で極めて低い。海外からの化石燃料の輸入に頼っている。
やっぱり、核融合技術!もっと早く実現できないものだろうか?
原発は、無くて済むなら、無いほうがいい。
でも、代替電力供給のすべがないままに、今稼働している原発を全部止めたらどうなるか。。。ないならないで、なんとかなるのか??
私が勤めていた会社の工場は、自家発電だった。だから、計画停電中も電気が使えた。世の中、結構な企業が自家発電をもっているけれど、それを公共の電力として提供するすべがないから、周囲の住民へ電気を供給することはできなかった。そして、建物に電気をつけていると、周囲から省エネしていないと非難の声が上がり、、、、。馬鹿みたいに、電気は使えるのに、18:00以降の照明は間引きされた、、、、。それじゃぁ仕事にならないと、みんな、個人机用の卓上電気を購入し始めた。なんだかね。意味ない。
省エネはいいけど。
海外では、米グーグル、ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツが核融合炉開発に出資しているが、日本は投資家がいないらしい。
個人的には、地球外エネルギー、つまり太陽のエネルギーを使うのが一番、と思っているのだが、昼間しか利用出来ない、、、。かつ、エネルギーに変換するための装置製造に莫大なエネルギーが必要になるし、廃棄物の問題もある。万能ではない。でも、暖をとるのに、やっぱり太陽は最高。夏のカンカンと冬のポカポカ、、、取っておいて足して2で割れたらいいのに。
やっぱり、核融合の技術、21世紀中に完成してほしいなぁ、と思う。核融合、ちょっと勉強してみようかな、、、自分が技術者になることはないだろうけど、、、。どういう体制で開発が進んでいるのか、興味津々。
あとどれくらいかかるのだろう。
それまで、地球は持つだろうか?
自分の力でどうにもできないことに、必要以上に気をもんだり、心配しても仕方がないことではあるけれど、せめて、3.11を機会に、省エネを心がけよう。
自分が省エネと思ってやっていることが、具体的にどのくらいの効果があるのか、たんに電気代ということではなくて、もっと根本的な資源に対しての効果がわかったらいいのに、と思う。
3.11.
命の大切さと、防災の大切さを考える日。
防災グッズの点検もしなきゃね。