国内旅行:盛岡へ 1泊2日 2日目観光

国内旅行:盛岡へ 1泊2日 2日目 観光と鑑賞

 

 盛岡への旅、2日目。

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さんさの湯 ドーミーイン盛岡」で迎えた翌日、外は、雨。うん?みぞれ?雪? ホテルの中は暖かいけれど、外はかなり寒々しい。やっぱり、今日の午前中は観光ではなく、ホテルで読書かな、、、、と思いつつ、まずは朝風呂へ。


朝のお風呂も結構混んでいた。それでも、ゆっくり露天風呂につかりつつ、今日の予定を考える。演奏会は、13:00から。会場となる「南昌荘」は、ホテルからあるいて20分くらい。その間に、盛岡城跡公園もりおか歴史文化館岩手銀行赤レンガ館といった観光場所がある。まぁ、、、ほんと天気次第。


ドーミーインは、最上階が大浴場で、そこには、夜は「アイスキャンディー」、朝は「ヤクルト」の無料サービスがある。これも、魅力。しっかり、「ヤクルト」をいただき、部屋に戻る。ロビーには、無料のコーヒーサービスもある。私は、自宅から持参したドリップコーヒーと昨日コンビニで買ってあったおむすびで朝ごはん。


朝のルーチン、英語の勉強と新聞を読み終わったら、ちょっと外は明るい兆し。やっぱり、せっかく盛岡まできたんだから、観光するか!とおもいたって、9:30頃にチェックアウトして出かけることにした。

 

ホテルからてくてく歩いて、盛岡城跡をめざす。途中、盛岡地方裁判所の構内にある石割桜を通過。冬なので、ほとんど葉もついていないし、藁で腹巻されていた。けど、大きな花崗岩を割って生えている桜は、たくましい。


裁判所を過ぎると、5分もせずに盛岡城跡公園(岩手公園)「日本の名城100選」日本の歴史公園100選にも選ばれているという盛岡城跡公園は、その入り口手前に、櫻山神社があり、その隣にはパワースポットとも言われる烏帽子岩が。烏帽子岩は、公園に向かって歩いているときから視界に入り、圧倒的な存在感。神社の鐘も鳥居も、なかなか趣があってよい。雪がちらついていて、ゆっくりお参りするには寒すぎるけれど、なかなか、心改まる感じが気持ちよい。

 

そして、石垣をめざして歩こうと思ったら、「改修工事中」で通行止めになっていた。「工事中」とかいてあるものの、工事をしている様子は窺えず、、、、石垣はよく見えた。

通行止めから反対側にあるいてみると、こちらは、石垣沿いにずっと歩ける散歩道が。人もいなくて(そりゃ、雪降っているし)、寒いけど気持ちいい。石垣を眺めながら、先日読んだ「1からわかる日本の城」でまなんだ石垣の種類を思い出し、たしかに、石垣そのものや、その全体の構成をみているだけで、城跡が楽しめるということを実感。

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石垣をみながら本丸跡まで登ると、「南部利祥中尉銅像台座」が。像が無くて、台座だけ。巨大な台座はなんだろう?とおもったら、もともとは南部藩で人々から愛された中尉の像がたっていたそうだが、戦時中の金物供出で像はなくなってしまったらしい。でも、地元の人々から愛された南部利祥中尉銅像台座ということで、いまでも大事に保存されているとのこと。

 

そうか、南部藩か・・・。実は、実家のお隣さんは、「南部さん」だった。私が小学生だか、中学生だったかのうちに、引っ越してしまったのだが、それは、南部藩後継ぎだったお兄様が亡くなって、いきなり「南部家」を継ぎに地元へ帰って行かれたのだ。やさしくて綺麗な方だった、南部さんの奥さん。今はどうされているのか・・・。

 

盛岡城跡で、石垣とその眺めを楽しんでいると、だんだんと雪が強くなってくる・・・。これは、このままでは、凍ってしまう、と、となりの「もりおか歴史文化館」へ。

 

「もりおか歴史文化館」は、読んで字のごとく、まさに歴史文化館。いってみると、「古文書が語る盛岡南部家の歴史」という古文書学の企画展をやっていた。常設展入場料で、いっしょに見ることができる。入場料、なんと300円!安い!!

 

結構立派で、古文書学も、かなり興味深い!!これは、もうけもん!ってかんじで、かなり楽しめた。しかも、、、ほぼ、、、いや、、、完全に私一人の貸し切り状態。1階のお土産屋さんでは、他の観光客も見かけたけれど、展示施設は貸し切り状態で、実にゆっくり、たっぷり、しっかり、見学をすることができた。常設展はたしかに、「国宝」があるとかいう感じではないけれど、それでも盛岡の歴史を知るのになかなか楽しめる。奥州の時代から、胆沢城、坂上田村麻呂、、、江戸時代から近代まで。

企画展の方は、さらに面白く、おもわず磯田道史さんの古文書説明をおもいだす。

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古文書(こもんじょ)というのは、だれかが誰かにあてた手紙の類。書かれた日付、宛先、誰が書いたか、などなど、歴史を紐解くヒントが満載。でも、偽文書もたくさんあり、それらをどう見抜くか!なんてことも説明されていて、楽しい。だれも他に客もいなかったので、荷物とコートを椅子にどっかとおいて、のんびり、じっくり、見学してしまった。それにしても、昔の人は達筆だ。そして、ハンコのような意味をもった「花押」。様々な歴史人物の花押一覧なんていうのもあって、楽しかった。足利尊氏とか、家康まで。

 

もりおか歴史文化館を満喫していると、時刻は、11:00を回っていた。すぐお隣の「岩手銀行赤レンガ館」へ移動。

 

ここは、外見がまるで、東京駅丸の内のよう。そう、辰野金吾の設計なのだそうだ。辰野金吾が設計した建築としては東北地方に唯一残る作品だそう。

中は見学できるようになっていて、なかなか素敵な赴き。中央のホールではコンサートなどが開かれることもあるという。私が行ったときは、女性がコートを着たまま楽譜をもって、唱のリハーサルをしていた。おもわず聞きほれる歌声。ゴスペルではないれど、美しい。明らかにトレーニングされた歌声がホールに響き渡り、しばし、聞き入ってしまった。無料で、ラッキー!

 

そして、歩いて「南昌荘」へ。住宅街の中にある明治時代の実業家の庭園付き邸宅。現在までの130年余りの間に所有者が変わる中でも、今の形として継承されている。入園料が300円。本来なら庭園をお散歩もできるのだけれど、雪も降っていて寒いので、屋敷の中の部屋で、暖まらせていただいた。入園料を支払う際に、演奏会を聞きに来たむねを伝えると、まだ時間があるので、中の暖かい部屋でお待ちください、と。そして、喫茶メニューの抹茶かコーヒーが450円だったので、コーヒーをお願いした。クッキーつき。

コーヒーは、おそらくハンドドリップのスッキリタイプで、なかなか美味しい。クッキーも薄焼でパリッとしていて美味しかった。そういえば、お昼ご飯もたべていない・・・。

 

しばし、お部屋の中で庭を眺めながら本を読んで過ごした。しばらくすると、踊りのお弟子さんと思われるおばさま方がぞろぞろ。。。そして、どうして、こんなに何の遠慮もなく大きな声で話しまくるのだろう・・・・か。私にとっては、めったにない素敵な庭園を眺めながらのいい雰囲気の時間だったのだが、、、地元のおばちゃんパワーおそるべし・・・。雰囲気もなにもあったもんじゃない。やれ、あっちが痛い、病院は遠いだ、旦那は寝てばかりでつかいものにならない・・・・などなど・・・・。ま、、、やむなし・・・。開演時間が待ち遠しい・・・。

 

人がどんどんと集まり出したので、開演の40分前には会場を開けてくださり、無事に、席に着くことができた。お座布団と椅子とを30畳の板の間に並べて、即席客席。建物のなかには、いくつもの部屋や廊下、縁側があって、迷子になりそうだったけれど、会場にはいってしまえば、あとは、開演を待つのみ。

 

荻江節の唄と三味線は、荻江寿圓さんと荻江寿慎さん。それに、鼓の藤舎呂近さん。踊りの方が今回の主催者、中川太治/福寄屋濤太衛門さんとお弟子さんの松浦柊真さん。荻江節の「梅」と「八島」の演奏と踊り、そして合間のお話。たっぷり1時間半以上。ふすまをあけ放した廊下の先は、ちらりはらりと雪が降る。なんとも素敵な雰囲気の中、大いに楽しんだ。間近で踊りを見たのも初めてで、すり足から、どんどんと音をたてて動いたり、みなさん、袴姿が凛々しくご立派にみえる。本物だなぁ、、、って。感動。

「梅」も「八島」も、お稽古でひいたことはあったけれど、こんなに素晴らしい曲だったのか、、、と噛みしめながら聞きつつ、、、荻江節に惚れ直した。荻江節は、こうしたお座席サイズの会場で演奏するのに適した品の良さがある。やっぱり、いいなぁ。

 

雪の中、明治の香りかおる邸宅で、庭園をながめながらの演奏と踊り。贅沢な時間を満喫した。あぁ、盛岡まで聞きに来てよかった。福寄屋濤太衛門さんは、YouTubeラジオもやっているらしく、おしゃべりがお上手!とても楽しかった。

 

閉演して外へ出ると、雪は降り続けている。もう、観光も満喫したし、あるいて駅にむかった。帰りの新幹線の切符を買ってから、駅ビルで遅いお昼ごはん。時刻は15:00。新幹線まで、1時間足らずだったので、さくっと、、、盛岡冷麺でもたべるか、と思って焼肉&冷麺のお店に入った。冷麺の温麺があったので、盛岡温麺を注文。1100円。辛味と卵に、牛肉もたっぷり。カルビクッパの御飯が冷麺の麺になっている感じ。美味しかった。温まったし。

 

1泊2日の盛岡の旅。満喫。やっぱり、ただの観光だけでなく、今回のような演奏会を聞きに行くという目的があると、旅が盛り上がる。

素敵な機会をありがとうございました!

 

旅は楽しい。