国宝 『松林図屏風』 長谷川等伯
とうとう、観てきた!!!!
長年の夢だった、『松林図屏風』に直接、会ってきた!
って、もちろん、ガラスケース越しだけど・・・。
長谷川等伯による、安土桃山時代 16世紀の作品、国宝。2023年に東京国立博物館で行われた国宝展では、チケットを入手することができず、泣く泣く、次の機会を待っていた。
今回は、特別展ではない。常設展としての、本館2階の国宝 展示室での展示。「博物館に初もうで」という企画の中で、等伯の本作品が展示された。
期間は、2024年1月2日から14日の予定だったのが、1月11日のニュース発表では2週間延期されて、1月28日までの展示になったとのこと。やっぱり、大人気!だったのだろう。
今がチャンス!!
まだ、他の企画展が始まっていないので、人混みもそんなにひどくなく、ゆっくり鑑賞できる、夢のチャンス!!!
等伯が、これまでの金箔を使用した豪華絢爛な作風とは全く趣の異なる水墨画による『松林図屏風』を描いたのは、息子の久蔵を失った失意の中。息子の無念をはらしたい思い、これまでの自分と向き合いたい思い、、、、そんな中での作品。と、安部龍太郎さんの『等伯』の中で出てきた。
いやぁ、、、、圧巻です。
墨だけで、これだけの、、、、、まさに「霞」が描かれている・・・。
一発できめたと思われる幹の線、枝の線。かすんだ向こうにみえる、松の続き、山の頂き。
あぁ、、、、素晴らしい。。。。
しばし、国宝室で立ち尽くした。入れ代わり立ち代わり見学者はやってくるけれど、瞬間、独り占めできるタイミングも・・・・。
あぁ、、、、素晴らしい。。。。
この、松の林に、そっと足を踏み入れてみたくなる・・・・。季節はいつだろう?雪がちらつく季節か??寒いのか?風が吹いているね、、、。
見つめていると、なんだか、胸が苦しくなる感じ・・・。等伯のたまり溜まった思いが、爆発した力強い線。はかない線、、、、。水墨画ならではの、筆の勢い・・・。
できることなら、襖として建物のなかで使われている状態で観てみたい。。。ガラスの向こうではなく、屏風がまとった空気の香りを直に感じてみたい。東京国立博物館所蔵となっている今、叶わぬ夢だろうけれど、、、、
いや、ほんと、これだけを見るのでも十分、、、幸せだった。思ったより、屏風のサイズはコンパクトだった。そのサイズ感もいいのかもしれない。
そういえば、先日、京都の聚楽第であらたな遺構が発見されたというニュースがあった。安土桃山時代にタイムスリップしてみたい・・・。
ちなみに、博物館は、常設展であれば大人ひとり1000円。期間中、もう一度観に行っちゃうかも・・・。
興味があれば、やはり、常設展のときの国宝がおすすめ。激混み!ということにはなりにくい。
当日は、お昼に思い立ってでかけ、13:00前に博物館に到着したのだが、本館に入る前に、目に入ったのが、『EDO CASTLE』のミュージアムシアターでの上映。ちょうど、13:00から35分の上映が始まるところだったので、これも観てきた。これも、昨年ネットでみかけて気になっていたのだ。大人600円。
家光がつくった三代目の江戸城天守をVRで再現したビデオ上映。ナレーターは、生身のおねえさんが登場して、普通にマイクでお話してくれた。これも、「城」に興味津々の私として、満足!の上映だった。初期の江戸城から、三代目まで、どのように変化したのか、構造はどうだったのか、天守閣からの東京の眺めはどうだったのか?VRでも、すごく楽しめる。ただ、石垣をめぐって動くカメラ映像は、ドローン撮影なのか?揺らぎがすごくて、一瞬、酔いそうだったけど。。。三代目の天守がつくられた時代は、すでに平和な江戸になっていたので、いわゆる攻撃用の石落としなどの設備はなかったのだそうだ。そして、その高さは、なんと今の姫路城よりずっと高い!壮麗だったのだろうなぁ、、、、。観たかった。
このVR作品の上映は、2024年4月14日までとのこと。城好きなら、お薦め。
と、そんなおまけも楽しみ、本館の「博物館に初もうで」で等伯や辰年にちなんだ展示品を楽しみ、、、。あぁ、博物館って、本当は一日中いても飽きない。重要文化財 十二神将立像(辰神)も、なかなかよい。目に入った瞬間、お!すごい、とおもったら、重文だった。
ついでに、宝物館のホテルオークラ ガーデンテラスカフェでお茶して、まったり過ごした。モンブランとコーヒーで。コーヒーは、おかわりもさせてくれる。場内のレストランやカフェは、16:00過ぎにはラストオーダーなので、ボケボケしていると閉まってしまう。今回は、早めにいったのでゆっくりできた。
みちのくのほっこり仏像もいいけど、宝物館の仏像たちもやはり美しい。
「やりたいことリスト」の一つだった、「松林図屏風をみる」を達成できて、幸せ。