『これは本』 by レイン・スミス

『これは本』
レイン・スミス 作
青山南 訳
BL 出版株式会社
2011年4月20日 第1刷発行 
It's a Book. (LANE SMITH)


世界をひらく60冊の絵本』(中川素子、平凡社新書)、「第十二章 人間が作り出した世界」からの紹介。『キリンのなやみごと』の絵と同じ人。『これは本』は、物語もレイン・スミス

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レイン・スミスは、1983年 カリフォルニアの美術大学を卒業。絵本作家、イラストレーターとして 多方面で活躍。作品では『くさいくさいチーズぼうや&たくさんのおとぼけ話 』(ほるぷ出版)でのコールデコット賞をはじめ、 ニューヨークタイムズ・ ベスト・イラスト賞など、数多くの賞を受けている。

 

表紙をめくると、
” パソコンが得意なロバくんと本がだいすきなさるくん。本を知らないロバくんは、サルくんに本の使い方を聞きますが・・・・。
本のよさって、なんだろう。
アナログでもデジタルでも
本が読める現代。
レイン・スミスが 絶妙なスパイスをかき混ぜながら、
 シンプルに問いかけます。”

そして、ロバくんが、「マウスはどこ?」と聞いているイラスト。

 

感想。
これは、面白い!
なるほど!!
いつもパソコンをもちあるくロバくんは、本をしらない。
サルくんが持っているものが本だともわからない。

 

「なに、もっているの?」
「本」
「どうやってスクロールするの?」
「しない。ページをめくる。これは本だから。」
「ブログはしてる?」
「しない。これは本だから。」

「マウスはどこ?」
とロバくんが聞いているページのイラストは、サルくんのあたまのうえにねずみがいる。

「キャラクターをたたかわせることはできる?」
「できない。これは本だから。」
「メールできる?」
「できない。」
ツイッターは?」
「できない。」
WiFiは?」
「できない・・・・」

サルくんは、ロバくんに本を見せてあげる。
「字が多いね」

そして、「なおすね」といって、文字だらけの1ページを、「よお!話?は!」とひとつの絵文字だけにしてしまう。
サルくんのあきれがお・・・。

でも、そのうち、ロバくんは、本に夢中になってサルくんの本を返してくれない。
そして、
「それなら、図書館にいってくる」と言って出かけるサルくんに、
「だいじょうぶ。あとで充電しておくから!」

”そんなこと、いらないの。
これは本だからね、ロバくん。”

THE END。

 

なんとも、可愛いイラスト。『キリン・・・・』とはまたちょっと違うタッチ。
いやいや、、、、現代の絵本だねぇ。
切り口が面白い。

でも、どこかでありそうな会話な気もする。

「本の魅力ってなに?」
一言ではいいきれない。
でも、やっぱり、わたしもサルくん同様、本が好きだよ。