仕事の辞め方
HOW TO QUIT A JOB
鈴木おさむ
幻冬舎
2024年1月25日 第1刷発行
2024年2月15日 第3刷発行
新聞の広告で見て気になったので、図書館で予約してみた。 数ヶ月、順番待ち した気がする。順番が回ってきたので、借りて読んでみた。
気になったのは、なんといってもタイトル。
『仕事の辞め方』である。
すでに、脱サラしている私としては、今更ではあるけれど、やっぱり、「仕事を辞める」決心をした人の話は興味深い。私はあまりTVをみないけれど、鈴木おさむさんが放送作家であるということぐらいは知っている。でも、もう、辞めたらしい。本書によれば、1992年2月から放送作家という仕事をはじめ、2024年3月31日をもって、32年やってきた放送作家業を辞めることにした、と、2023年10月12日に発表したらしい。
実のところ、何が彼の作品なのかは良く知らない。SMAPの仕事もされていたらしい。それよりは、タレントの大島美幸さんの夫、という認識の方が強い。いずれにしても、割と好きなタイプの人だなっておもっている。それは、大島美幸さんのことが割と好きだからだ。正直に生きている感じが好きだ。って、よくしらないのだけれど、、。妊活しますといって休業されたときとか、ほんと心から応援したいって思った。別に妊活を、、ではなく、人生を応援したい!って感じさせてくれる二人、と思っている。無事に、子どもを授かったようで、今更ながら、おめでとう!
表紙をめくると、いきなり
”後悔なし。”
と、大きな活字。
目次
はじめに
第1章 なぜ仕事を辞めるのか
第2章 あなたにも代わりはいる
第3章 ワクワクしなくなったら仕事を辞める
第4章 なぜ40代はしんどいか ~世代別の仕事論
第5章 どのように仕事を辞めるか
第6章 辞める前にしておくこと
第7章 手放すからこそ入ってくる
おわりに
感想。
いいね!!
いくつも、いいね!したくなる。
放送作家という世界なので、一般的サラリーマンとはちがうところはあるかもしれないけれど、社会の中で仕事をするプロ意識。そして、なぜ仕事を辞めるのか。辞め時の見極め方、辞め方、、、おおいに共感。
幻冬舎の本だから、、、と言うと語弊があるが、、、あっという間に読める。214ページの単行本だけれど、ほぼ、1時間くらいで読み終わった。
目次にはもっと細かく項目があるので、目次に目を通して、きになるところだけ読んでもいいかもしれない。
ただし、鈴木さんは32年間のキャリアをもって、仕事を辞めた人。キャリア数年のひとより、キャリアを積んで、「このままでいいのだろうか」と思い始める40代に向いている本かもしれない。でも、ね、若くても、気になるなら読んでみるのはお薦め。
同じ業界に30年もいれば、当然、ワクワクしたりドキドキすることも減ってくる。私もそうだった。同じ会社に30年もいれば、どこかで同じことの繰り返しをしている自分に気づく。それでも、いつも新しい何かをもとめていたけれど、、、50歳を過ぎた時、この先この会社でやっていくのは、どう考えても今の延長線しかない、、、と思ったとき、早期退職優遇制度が発表され、もともと55歳で脱サラしようとおもっていたのが、ちょっと早まった。
私も、「後悔なし」とはっきり言える。
まったく、後悔なし。
あの時、2020年に会社を辞めていなかったら、今の私はいない。
辞めていなかったら、今のように世界は広がっていなかった。
仕事も、友人の輪も、読書の世界も、旅の世界も。
美幸さんが、妊活休業したときに、毎日「ちょこっとストレス」があったことに気が付いたって言っているのも興味深い。毎日顔を合わせることが当たり前で、大したことではないけれど、、、実は「嫌だな」ってストレスになっていたことに、辞めた後に気が付いたって。私も、実はそうだ。会社が嫌いでやめたわけではないのに、やはり、ちょこっとストレスからの解放というのは、大きかった。
本書の第七章は「手放すからこそはいってくる」というタイトルになっているが、まさに、、、それは、手放してみてはじめて本当に実感できる。いわゆる片付けでの「断捨離」もそうかもしれないけれど、隙間のない所には、新しいものが入ってくる余地がないのだよ。
隙間を作る。
時間の隙間をつくる。
それに最適なのは、仕事を辞めること。それが、彼の中での正解だったし、わたしにとってもそうだった。
あっという間に読めるので、気になるなら読んでみるべし。
読む時間も、その隙間も、、、つくるかどうかは自分次第。
気になった言葉を覚書。
・美幸さんの言葉
「お金に執着するとそういう人生になるんだよな」
そうそう、、お金は悪魔であるって、ツイアビも言っていた。
・ ”今の人生で満足していなければ、自分で大きく舵を切らないと変わらないのです。 大きく舵を切る1つの方法、 それは「仕事を辞める」です。”
・才能について。
” 今になって思うのです。「努力を努力と思わずに頑張れることは才能」ですが 、その才能がない人が多い。それは決して人に求めてはならないことなのだと。
それをできない人からしたら、「 努力を努力と思わない異常性」といえるのかもしれません。”
才能とはちがうかもしれないけれど、私は、新しいことを学ぶことが好きだ。できるできないはともかく、新しいことに挑戦することが好きだ。人から見たら、その歳でよくやるよね、って思われることも、私にとっては苦行ではなく遊びなのだ。。。それもそうでない人から見たら異常性かもしれない。そして、それを見ていて疲れる人もいるのかもしれない。別に、私は他の人に苦行を強いるつもりはこれっぽっちもない。ただ、私が好きでしているのだ。勉強も、お稽古事も、あれも、これも。。。好きなことをしていたら、こうなった。。。
・会社との関係を、仲はいいけどセックスレスなカップルにみたてて、ビジネスセックスレスとして、
”仕事に対して前のような興奮とワクワクがなくなってきたら、それはビジネスセックスレスだと思うんです。これは、辞めることを考えるサインだと思っています。”
うん。ワクワクしないことを定年まで続けるほど、人生ひまじゃない・・。
・「やりたいことは自分で口に出していかないと、取られちゃうぞ」と、鈴木さんの仕事をうばっていった友人に言われて。
”正直、よく言うな!って思いました。だけど、この言葉が 僕を大きく変えてくれました。
それまでの自分は、やりたいことを口に出せるタイプじゃない。「この仕事やりたい」 とかそういうことを直接言うことは「下品」なことだと思っていました。
だけど、この悔しさから僕はやりたいことを口にするようにしました。”
そして、
” 自分のやりたいことを口にすると、「あいつ、イタい」と言われることがあります。 でも、それは言えない人の嫉妬 なんです。”
なるほど。。。
確かに嫉妬から、人を否定するっておおいにあるかも。
そして、
”夢を笑う奴は友達じゃない。その夢を見るあなたに対して、嫉妬しているだけなんだ。”と。
あぁ、、、本当に。
・道元禅師の言葉。
「放てば手に満てり」
” 座禅修行をして、執着を捨て、心を空にすれば、自然と真理の境地に至れる。」 というのが 本来の意味 だそうですが、 つまりは、「今は持っていない何かを手に入れたい時に、まずは握りしめているものを手放さなければ、それを手に入れることはできない。大事に何かを握っている、 あるいは怖いから何かに掴まっている、 そのぎゅっと閉じた手を思い切って開いて、 手の中が空っぽになった時、その空いた手の中に、 本当に大切なものが自然と満たされていく」ということなんですね。”
あぁ、面白い一冊だった。
「夢を笑うやつは友だちじゃない」
ほんと、そう思うよ。
あるいは、夢の話をしているのに、「それって、儲かるの?」っていう質問するひととか、、、ね。
最後は、
”最後に。 これまで一緒にお仕事をしてくださった皆様。
本当にありがとうございます。
おもしろい生き方してるねと言われるように。
生きていきます。”
で、締めくくられている。
しいていうなら、おさむくん、そんなこと、言われなくていいんだよ。
あなたが、面白がって生きていれば、それでいい!
と、私は思うよ。
あぁ、面白かった。
仕事を辞めたから開かれる世界もある。
でも、私が私より若い友人たちにいうのは、
”辞めるなら、無職でも一年はやっていける貯金をもってからにしたほうがいいよ”ってこと。
結局、たくわえが無ければ、食べるために、生きるために、やりたくない仕事をすることになるかもしれない。それなら、今の職場は今の職場で、吸収できること吸い取るんだと割り切って、お金をためてから辞めても遅くないと思うよ、ってね。
残念ながら、やっぱり、無一文で生きていけるほど社会は優しくない。
読書は、楽しい。
