『レナレナ』  by ハリエット・ヴァン・レーク

レナレナ
ハリエット・ヴァン・レーク 作
野坂悦子 訳
Libro
1989年7月20日 第1刷発行

 

『世界をひらく60冊の絵本』(中川素子、平凡社新書)、第一章 自分らしくいきる、からの紹介。

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なんとも、シュールなイラスト。

 

表紙を開くと、
”これは、 オランダで生まれた 新しい絵本です。
 主人公のレナレナは、好奇心の強い女の子。身の回りで起こるできごとに、つい夢中になってしまいます。 ぐうぜんに出会ったもの、みんなレナレナの友達。ミミズ、 チョコレート、 草、 古いサングラス・・・・・。
自分の髪の毛だって遊び相手にしてしまうのです。
そんなレナレナのユーモラスな毎日を、作者の H・V・レイクは 淡々と、そして生き生きと スケッチしています。”、と。

 

著者のハリエット・ヴァン・レークは、1957年11月21日オランダのライデン市に生まれる。絵本創作のほか、人形劇の製作にもたずさわっている。

 

絵本は、見開き左ページに16コマ漫画のようにイラストがあって、右ページにストーリーが書かれている。活字は、手書き文字のようなフォント。そして、右ページにも、一つだけイラストが入っている。
レナレナは長い髪をしている。手足も長い。そして、ねずみに髪の毛を食べさせてあげるために、地面にいるねずみがたべやすいように、逆立ちをしてあげる。そのまま、髪の毛がさかだって、戻らなくなる。しかたがないから、ひもで腰にしばったら、かみがひねまがったままに・・・。

とか。

みみずの引っ越しを手伝う。

雨をお茶のように飲む。

なめおわったアメの棒で遊ぶ。

地面に穴をほって、足をつっこんで、ミミズにはわれる。

ことりを自分のお家に招いたら、お礼に、母鳥がベッドにタマゴをひとつうんでいってしまう。

ゆでたまごは白くてすべすべで、きちんとしている。たべてみて口の中でぐちゃぐちゃになったようすをみて遊ぶ。。。

つめのきりかすを、小箱にしまっておく。

もう、、、シュールで、、、いったいこれは?!?!という衝撃的な絵本だ。

読み終わっても、なんというか、脱力、、、のシュールさ。

 

『世界をひらく60冊の絵本』では、
” 世界で最も身長の高いオランダ人の画家が書いた絵本の主人公、レナルナは、手足がとても長く、日本人から見ると10代後半に見えるが、作者によれば、物事がまだ「魔法」である 年齢で、5歳から7歳ぐらいの間とのこと。作者が「性に目覚める前の子ども」というレナレナの世界は、うらやましいほどの「魔法」でいっぱいだ。”
と、書かれていた。

 

レナレナのおともだちとしてでてくる人間は1人だけ。他は、ミミズやら魚やら、ことりやら。にんげんのおともだちのミーとは、裸のまま川でおよぐ。はだかのまま甲羅干し。レナレナはミーの背中に草、小石をのせてあそぶ。そして、お尻に小枝をそうっとたてる。

いったい、、、レナレナは何歳なんだ?!?!と思いながら読んだのだけれど、そんな子供を想定していたのか、、と、驚いたのと、納得と。

レナレナの行動は、大人だとすると、奇妙だ。でも、5~7歳のこどもといわれると、あぁ、、、そういうことか。。と、おおいに納得してしまう。

オランダの子どもは、こんなに手足が長いのかしら?

ちょっと、不思議な絵本。
そして、ほっこり。。。

 

世界が魔法でできている時代って、きっとだれにもあったよね、って思う。

やさしい、絵本。

 

同じ内容でも、日本人が書いたら、また違うイラストで、また違う印象になるのかもしれない。

 

へぇ、、、オランダの絵本。

面白い。

 

起きる、食べる、遊ぶ、寝る、の時代って、誰にでもあったよね。

そういう時間の使い方、ツイアビに習わなくても、子供時にはみんなしていた。。

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ほっこりしつつ、時間の使いかたを考えてしまった一冊。

絵本も楽しい。