『トヤのひっこし』  イチンノロブ・ガンバートル、 バーサンスレン・ボロルマー

トヤのひっこし
イチンノロブ・ガンバートル 文
バーサンスレン・ボロルマー 絵
津田紀子 訳
福音館書店
2015年1月25日 発行
Toya’s Moving


『世界をひらく60冊の絵本』(中川素子、平凡社新書)の 「第2章 生き方の多様性」からの紹介本。図書館で借りて読んでみた。

 

作者のイチンノロブ・ガンバートルは、モンゴル 文化芸術大学美術学部卒業。2004年、第14回野間 国際絵本原画コンクールで 奨励賞を受賞。 大学時代の同級生でもある妻のボロルマーと共同で絵本や 紙芝居を多数創作している。

ということで、絵のバーサンスレン・ボロルマーは、作者の妻。同様に、モンゴル 文化芸術大学美術学部卒業。 2008年に来日。日本を拠点に 絵本作家 イラストレーターとして活躍。

お二人は、埼玉県在住、とのこと。

 

訳者の津田さんは、 早稲田大学卒業後 モンゴルでモンゴル語と児童文学を学ぶ。ウランバートル 大学大学院修士課程修了。 モンゴルの児童文学を日本に紹介し、 ガンバートルとモノルマーの共作絵本の翻訳者としても活躍。


感想。
いやぁ、絵が楽しい!!
お話は、なんていうことない、、、というか、トヤがお父さん、お母さん、おにいちゃんと、赤ちゃんの弟といっしょに、引っ越しをする。トヤは、モンゴルに住む遊牧民の女の子ってこと。

ゲルを解体して、らくだにのせて、お引越し。
チーズや、ヨーグルトも引っ越しの荷物。

トヤとおにいちゃんは、自分で馬に乗って移動。赤ちゃんの弟は籠に載せて、ラクダに括りつけられた。

家畜の山羊や羊もいっしょ。
一家の大移動。

途中で知り合いにあったり、夜はオオカミがやってきたり、雨が降ったり、、、

そして、ゴビ砂漠を超えて、オアシスのある新しい住みかへやってくる。
新しくゲルをたてて、友だちの家族を招いて、みんなで美味しいお茶をのみました!

お父さんの馬頭琴が優しい音色を奏でます。
草原のたのしい 夏が 始まったのです。

THE END.

 

いやぁ、、、、なんとも言えない優しい絵。そして、細かく細かく書き込まれている。
『まほうの木』も、よく書き込まれた絵だったけれど、これはまた、なんとも、、、。

megureca.hatenablog.com

イラストチックに、小さく、こまかく、草原の動物や鳥が書き込まれていて、、、、手の小さな、器用なアジアの女性が描いたのかも、、と、、思ってしまう。。。勝手に想像して、ごめんなさい。でも、かわいい絵なのだ。

 

子どもたちが、興味津々で引っ越しの道中を楽しんでいる様子が、つたわってくる。新しい土地へ行くことのワクワクと、道中の厳しい自然。そして雨のあとには、美しい虹。ついでに、こどもは裸になって濡れた服を乾かし、裸で草原で日向ぼっこ。

 

絵がいいなぁ、、、、って思った。
すべて、見開き2ページをつかって一つの絵。

モンゴルの大平原、自然の厳しさ、、、いろんなものを感じる。

 

思わず、ウズベキスタンへの旅を思い出しちゃう。自然にはかなわない。とうてい、かなわない。

megureca.hatenablog.com

 

 

生き方の多様性というよりは、地球という自然の多様性というか、、、、。
こういう絵、好きだ。

 

横長の絵本なので、見開きで、横に長い一枚のイラストになるのだけれど、ちょっと、、、額に入れて飾ってみたくなる。いい夢見れそう、、、って感じ。 

 

ウズベキスタンのユルタは、モンゴルのゲルのようなもの。自然の中で生きるための工夫がいっぱい。

 

今、日本に住んでいれば、自然の中で生きる工夫なんて、めったに自分で考えない。でも、やはり、自然を感じたいから人は山登りをしたり、キャンプをしたりするんだろうな。基本、私はそいういうの好きな方だ。なんか、、、自然の中に行きたくなった。