(上映118分)
前に、何かの映画を見た時に予告編をみて、ちょっと気になっていた。ドタバタコメディ幕末。
朝、ベッドの中で、今日は映画が1300円の日だと気がついた。比較的時間のある一日。何か映画を観たいと思った。本当は、『ズートピア2』が観たかったのだけれど、自宅から徒歩圏の映画館は吹き替え版ばかりで、字幕版は11:50からのスケジュール1本のみ。観るならぜったい字幕版がいい。午前中に到着予定の宅急便が11:40までに届けば、、、と思っていたのだけれど、年末繁忙期のせいか、佐川急便が届いたのは12:30だった…。佐川急便って、ほんと、時間通りに来ることがない…チッとか思いつつ、じゃぁ、午後に何かを観に行くか、、、と思ってさがしたら、『新解釈 幕末伝』が目についた。まぁ、1300円ならいいか、、、と観に行った。
ポスターにあるのは、「教科書には載っていない英雄たちの物語」との一文。
ネットでチケット購入し、映画館の450円のコーヒーを買って、上映開始1分前に着席。平日昼間なので、座席は半分も埋まっていない。
感想。
くっだらな~~~い!けど、おもしろ~い。
これは、コメディだと割り切って、観ないと楽しめない。
ムロツヨシ演じる坂本龍馬が、「超チャラ男」だった、という設定の新解釈。冒頭に歴史研究家がでてきて、「私の解釈はこういう風です」といって解説をする。歴史研究家・小石川二郎(こいしかわ じろう)に扮しているのは、市村正親さん。そして、幕末の場面が展開されつつも、ときどき小石川博士の講義の語りのようなナレーション場面が挿入されている。つまり、幕末の新解釈講座を映像にしました、って感じ。ゆえに、教科書にある幕末をしっていないと、十分には楽しめないかもしれない。え、そういうキャラにしちゃうの?とか、実はこういう成り行きだったとかいう新解釈。
登場するのは、幕末の英雄と言われる人々、総ぞろい。ムロツヨシの演技は、もううざい!!!と言いたくなるくらい、うざい!!!徹底したチャラ男ぶり。佐藤二朗演じる西郷隆盛が、はまっているのも笑える。「足がでかい、顔がでかい、体がでかい、げじまゆ」とさんざんないじられようだけれど、ちょっとシャイで物静かな西郷どん。山田孝之演じる桂小五郎は、一生懸命ぶりがそれっぽい。加えて、チャラ男龍馬に木戸孝允と名前がかわったことをいじられる。ただ、映画の中ではキドタカヨシの下の名前は違っていた気がする。わすれた。
勝海舟、吉田松陰、近藤勇、沖田総司、土方歳三、岡田以蔵、大久保利通、、、明治維新
を語るには欠かせない人物が次々と出てくるので、人びとの関係の勉強になる。薩摩と長州との関係、幕府との関係、あぁ、裏にはそういうこともあったかもしれない、と歴史の総復習。
昨今、歴史の研究が進むにつれて、坂本龍馬については昔ほどの英雄的評価ではなくなってきているという。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』がつくったイメージが強すぎたのだろう。でも、、はだかのままお風呂から飛び出したおりょうに寺田屋襲撃から救われる場面、おりょうと新婚旅行に行く場面、船中八策を西郷隆盛と大久保利通に披露する場面など、よく知られる龍馬像はそのまま描かれていて、やっぱり、チャラ男だったかもしれないけれど、幕末~明治維新の日本を動かした一人であることは間違いないだろうと、感じる作品。
ちなみに、おりょうは、恐妻家というキャラで描かれている。演じるのは、広瀬アリス。これがまた、怒った顔も美しい。裸で寺田屋へ飛んできた場面は、「モザイク」入り。べたな演出が笑える。
それぞれの役者が、それぞれにはまっているところがなお面白いのかもしれない。渡部篤郎演じる勝海舟だけが、最後までポーカーフェース。まぁ、「忍茶屋」という「くノ一コンセプト茶屋」では、最後に「領収書ください」というボケもあるけど。松山ケンイチの土方歳三も、クールでお似合い。
映画の最後は、徳川慶喜がすんなり大政奉還をして、それを「なぜすんなり大政奉還したのか?」と疑問を呈する西郷隆盛に、坂本龍馬が「朝廷に具体的政治運営能力はないから、実権は自分がにぎるつもりなのだろう」と言わせる。そのあたりは、教科書的解釈と似ている。
西郷隆盛の解釈は、鹿島茂さんの『ドーダの近代史』の解釈に、ちょっと近い気がする。
人間、「ドーダ」の気概で生きるっていうのも大事かもね。
幕末に何が起きたのかを知りたい人には、教科書副読本的にお薦め。真面目な歴史を知りたい人、坂本龍馬、西郷隆盛を崇拝している人には薦めない。ざっけんな!龍馬に失礼だ!ってなる。
ちなみに、主題歌は福山雅治の「龍」。エンディングロールで流れるのだけれど、坂本龍馬を演じるなら福山雅治だよねぇ、、、という古き思い出も思い出されてよい。かつ、やはり、福山雅治の歌で綺麗に締める、って感じがいい。
幕末から明治維新。もっと知ると、もっと日本史が楽しくなる大事な日本の転換期。だれも徳川幕府を倒せるなんて思っていなかった。幕末の英雄たちを信じていたのは、じつは彼らの母親や妻だけだったろう、って最近どこかで目にした一文。そういうすごいことをした英雄をコメディにしちゃったんだから、まぁ、賛否両論かもね。
私は、歴史家でもなんでもないので、コメディとして楽しんだ。かつ、そうだ、日本にも人を動かす力のある人もいたんだ、と思い出させてもらった。
幕末、もっと知りたくなる。
映画も楽しい。
