『やっぱり英語をやりたい!』  by 鳥飼玖美子

やっぱり英語をやりたい!
鳥飼玖美子
幻冬舎新書
2023年11月30日 第一刷発行
2023年12月15日 第二刷発行

 

本屋で目に入ったので、購入。いまさら、「英語をやりたい」って言っている場合でなく、さらに通訳としての英語を磨かねばならない私だけれど、やっぱり、鳥飼さんのお話はすきだし、初心に返って、読んでみることに。

 

帯には、鳥飼さんの笑顔が。やっぱり、人当たりの良さそうなというのか、素敵な笑顔。そして、
”英語ができる人は、どんなやり方をしているのか?
 英語学習への疑問が解消されると、モチベーションも上がる。
 言語習得の本質がわかる。”とある。

 

裏には、
”英語ができるようになりたいと思っていても、 成果が出ない、または過去に挫折したという経験を持つ人は多いだろう。 一方で、 独学で英語を身につける人もいる。 一体、 どんなやり方をしているのか? 本書では、 英語学習者の多くが抱くであろう切実な疑問に著者が答える形で、 英語上達の秘訣を披露。 英語の達人や著名人の勉強法も紹介され、自分に合った学び方のヒントが満載。 インターネットや動画、 AI の普及で、 今やお金をかけなくても英語が身につく方法は無数にある。 読み終わる頃には、「 今すぐ英語をやりたい!」と思うこと、間違いなし。”とある。

 

もう、やりたい、、、どころじゃないのだよ。私は。。。。脱サラして、ひょんなことから通訳の世界に誘われ、気が付いたら、個人事業主としても通訳を始めてしまったのだ。仕事を引き受ける以上、できない、わからない、と泣き言は言ってられない。毎回、冷や汗ながしながら、必死でやっているのだ。

 

私は、TOEICは2023年にリスニング満点複数回、総合955を達成したところで、受けるのをやめた。おそらく、TOEICが990になっても、通訳はできるようにならないということに気が付いたから。一つの指標にはなるかもしれないけれど。

 

TOEIC900以上あれば、英語に困らないかといえば、そんなことはないのが現実。900あっても、オーストラリアにいったら、地元の人に一気に話されると、半分もわからなかった・・・。それが、現実。

 

ということで、まだまだ、英語の訓練は続くのだ・・・。30代で海外出向したときから、帰国してからも、脱サラ前も、ず~~っと仕事で英語は使ってきた。だからといって、ネイティブでもないので、やらなければすぐに話せなくなる。リスニングができても、スピーキングができないと通訳としては成り立たないので、やっぱり、意識して英語を使うようにしないと、あっという間にスキルは錆びるのだ・・・。また、しばらく英語を離れていても、30分くらい英語を聞いたり話したりし始めると、だいぶ脳が復活してくるのがわかる。言語の不思議な仕組み。母語だと、そんなことないのにね。。。。

まぁ、何はともあれ、常に初心にかえって、英語に向き合ってみよう!ということで、読んでみた。

 

目次
はじめに
第1章 英語を学ぶ
第2章 英語を話す
第3章 「話すこと」を支える力
第4章 自分に合った学習法を見つける
第5章 訳すということ
第6章 これからの英語学習を考える

 

どの章も、Q(質問)があって、それに鳥飼さんがA(答える)という形で構成されている。目次には、質問が全部項になっているので、自分の気になる質問だけ読むのでも参考になると思う。

 

鳥飼さんの答えと一緒に、NHK Eテレ太田光のつぶやき英語」に出演されたゲストの方々の英語学習法についても、紹介されている。NHK Eテレ太田光のつぶやき英語」って、知らなかったけれど、今もやっている番組らしい。そして、ここで紹介されているゲストのみなさん、ミュージシャンや芸人さん、、私はほとんど知らない人ばかり。。。吹石一恵さん、上白石萌音さん、、、ウエンツ瑛士さんくらいかな・・・。

みなさん、色々工夫して英語を勉強していらっしゃる。すごいね。

 

英語学習を続けているけれど、上達している実感がないという質問には、水泳であるとき「フワッ」と浮いて泳げるようになるように、英語も徐々にというより、あるとき「フワッ」を経験する人が多いらしい。だから、諦めずに英語学習を続けてみて、と。

 

確かに、私も、本格的に通訳としての英語学習をスタートしたのが、2020年になってからだけれど、当時に比べると、いつのまにかTOEICリスニング満点が普通にとれるようになっていた。毎日シャドーイングしていて、ある時、ふと、あれ?私、聞こえている、、っていう時があった。ただ、だからといって通訳ができるかというと、それもまだまだ、違うのだけれど。理解していなければ通訳はできないけれど、理解していればできるというものでもない。そこが、通訳には通訳のスキルが必要といわれるところ。

 

本書の中で、鳥飼さんはくり返し「ネイティブみたいな英語」を話す必要はない、といっている。日本人のネイティブ・スピーカーコンプレックスは、1853年の黒船ショックからずっと引きずっているのではないか、、、と。

 

アメリカンEnglishがかっこいいかといえば、そんなことはなく、アメリカンEnglishを好まない文化圏だってある。まぁ、イギリスとアメリカが典型だろうか。上品な英語といえば、やはり、イギリスに軍配だろう。そして、国連の会議でヨーロッパ各国の代表がはなす英語だって、決してアメリカンではない。でも、わかりやすくてかっこいい。鳥飼さん曰く、アメリカの中だって、いろんな国の人がいるので、英語はピンキリなのだと。そして、世界の外国語教育の新たな潮流は、ネイティブみたいな流暢さを目指す必要はない、なのだそうだ。

 

アメリカンEnglish崇拝しているのって、ちょっと、ちがうかな、、って思う。アメリカンカルチャーに憧れているのならわかるけれど。

 

英語力を維持するためには、できるだけ毎日、英語に触れる方がよいのでしょうか?という質問には、もちろんその通りです!って。使っていないと、英語力は落ちていくので、毎日15分でもいいから、触れるにこしたことはない、と。

うん、うん、それは、よくわかる。

 

音読の効果については、一定の効果はあるけれど、意味を考えながら音とリンクさせないと意味がない、と。

 

うんうん、わかる。
これは、シャドーイングもしかり。最初は、音をまねるだけでもいいから、その速度についていけるようにシャドーイングをし続けるべし、といわれるけれど、それに慣れると、意味を考えずに音だけなぞっていることがある。そして、ふと我に返って、あぁ、いま無駄にシャドーイングしていた、、、と反省するのだ。

 

私の場合は、「動詞」を取り損ねると通訳としては命とりなので、少なくとも動詞はシャドーイングしながら、「日本語」もいれるトレーニングをしている。これがね、なかなか、きびしいのだよ。。。でも、訓練。

 

受験英語は、使える英語に役立っていると思えない。「使える英語」を学びたいけれど、どうすればいいか?という質問には、そもそも「使える英語」とはどんなもの?って。

それはそうだ。人によって、使う場面も違えば、目的も違う。それによって、学ぶべきポイントは変わってくる。それに、鳥飼さんは、受験英語だって、英語の土台になるのだから、決して無駄ではない、って。

 

いまだに、文法というものは苦手な私。文法が多少間違っていても、意味を伝えらえればよいのだけれど、、、仕事で使うとなると、やはり正しい言葉を話すことは大事。NHKのアナウンサーが、美しくない日本を話すとがっかりしちゃうのと同じで、言葉を仕事にするなら、正しい言葉って、大事だ。

 

文法的に正しくても、「そういう方はしないなぁ、、、」というのは、どんな言語でもあるだろう。それがわかるようになるには、その言語をあびるほど耳に入れることなのだと思う。

 

2024年は、TOEICのようなメルクマールをおくつもりはないけれど、一日1時間以上は、英語のシャドーイングをすること日課にしよう。ま、これまでも1時間以上はやっているかな。

 

継続は力なり!!